失敗を恐れる幼児にどう接する? 「苦手なことは、いったん脇において」と専門家
自己認識が芽生えてくるために、失敗を恐れ始めるのが幼児期。そうした気持ちを支えつつも、お子さまに意欲を持たせるためにはどのようにしたらよいだろうか。発達心理学・幼児教育の専門家である東京学芸大学の岩立京子氏に、ポイントを伺った。
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意欲的に取り組むお子さまに育てるには、苦手なことはいったん脇において、お子さまのよいところを重点的にほめてあげましょう。たとえば、「跳び箱が苦手でも、ブロック遊びは得意」なら、ブロック遊びについてほめるのです。そうすると、お子さまの自信や自尊心が保たれ、ほかのことにも意欲的に取り組むようになります。また、自分の存在が認められていると実感できるため、親子の信頼関係も構築されていきます。
お子さまのよいところをほめてと、話すと「うちの子は何もよいところがない」という保護者のかたがいらっしゃいます。しかし、どのお子さまにも必ずよいところはあるはずですので、それをみつけてあげることが大事です。どんな小さなことでもかまいません。生活全体を見渡して、「朝一人で起きられる」「ごはんを残さず食べられる」などでもよいですね。
よいところを伸ばして自信をつけさせる方法でアプローチしても、やることなすこと失敗していたら自信はつきにくいものです。その場合は、「うちの子は、どのようにサポートしたら成功体験を積ませることができるかな」ということを見極めてほしいです。幼児になると保護者が手助けをするのは嫌がりますから、さりげなく援助することがポイントです。「わー、できたね!」という喜びが、次への意欲につながります。
出典:幼児が失敗を怖がるようになったら?【後編】子どもが伸びる保護者のサポートとは? -ベネッセ教育情報サイト