【2025年度大学入学共通テスト】「実用的な文章」の大問が新設!表現活動に関わる設問が出された国語の分析と対策は?
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2025年は新課程入試となって1回目の「大学入学共通テスト(以下、共通テスト)」でした。
国語の一番大きな変化は、試験時間が10分増え、「実用的な文章」の大問が追加されたことです。
《「実用的な文章」って何?》と思われるかたもいるかもしれません。
「実用的な文章(実用文)」とは、報告書、法令文などのほか、報道や広報の文章、案内書など、実社会において何らかの意図を伝えるために書かれた文章のことです。
あまりなじみがない言葉ですが、実用文は大人にとっては、古文、漢文よりも日常生活の中で目にすることが多いものではないでしょうか。
共通テストの国語では、レポートや発表原稿を書くために、複数の資料を参照するという設定で出題されます。たとえば、2025年の共通テストでは、与えられたテーマに従って自分の考えを書くという設定のもと、「外来語に関する意識調査」の結果が示されたグラフを含む資料や、外来語言い換えの「手引き」といった資料が出されました。
単なる資料の読み取りだけではなく、実用的な場面を想定した表現活動に関わる設問という点で新課程を意識した出題だといえます。
ここまで読んで、「難しそうな出題だな」と不安に思うかたもいるかもしれませんが、ベースとして必要となるのは、文章・資料の読解という従来から国語で求められてきた力です。
そこで、今回は、新課程入試となった2025年共通テストの出題内容の分析と共通テストに向けた対策をご紹介します。
さまざまな文章・形式で読解力が試される! 時間配分にも注意
2025年度の共通テストは、国語の試験でおなじみの論理的な文章(評論)、文学的な文章(小説)、古文、漢文の大問に「実用的な文章」の大問が加わり、5大問の構成になりました。
古文・漢文は一つの大問内に複数の文章が示され、複数の資料を関連付けて読解する「複数資料型」の出題でした。
一方で、評論・小説の大問は、昨年度までの「複数資料型」ではなく、単独の文章の出題でした。
評論・小説・実用文・古文・漢文というさまざまな文章・資料を、精確に読み取る読解力が身に付いているか、また、試験時間内に多くの文章・資料を読み切り、複数の資料どうしを関連付けながら効率よく解釈できるかどうかが試されます。
精確な読解はもちろん、時間配分に注意して制限時間内に解答することを意識しましょう。
- 精確な読解と複数の情報を関連付けて効率よく解釈する情報処理の力が必要!
共通テストで高得点をとるための3つの対策!!
2025年度の共通テストの出題傾向から考えられる国語の対策は3点あります。
1 さまざまな文章・資料の「読み方」を身に付ける
まず必要になるのは、「文章・資料の内容を精確に読み取る力」です。
この力は、「実用的な文章」や「複数資料型」の設問はもちろん、従来型の出題でも前提となるものです。
評論・小説・実用文・古文・漢文のどの分野でも、たとえば、次のような文章に合った「読み方」を身に付けておきましょう。
- 評論では「文章のテーマ・話題」を押さえ、それに対する「筆者の主張」をつかむ
- 小説では「場面状況」を踏まえて「人物の心情」をとらえる
- 実用文では「図表のタイトル」に着目して「読み取るべき情報」を明確にして読み取る
- 古文・漢文では「誰が-どうした」を押さえて話の展開をとらえる
共通テストで出題される文章・資料自体は、標準的な難易度のものがほとんどです。
教科書の文章を読んだり、市販の問題集に取り組んだりする際に、上記のことを意識して、一つひとつの文章や資料を精確に読み取れるよう練習を重ねておきましょう。さまざまな文章・資料に触れ、「読み方」を身に付けておくことが力になります。
2 さまざまな形式の出題で、複数の文章・資料を関連付けて読み取ることに慣れる
「実用的な文章」の問題や「複数資料型」の問題を解く際には、複数の資料の《関係性をつかむ》、《資料のどこに着目すべきかを見極める》といったポイントがあります。
共通テストで高得点を取るためには、複数の文章・資料を関連付けて解釈する力を身に付けることが必須です。共通テスト対策の問題集などに取り組み、「実用的な文章」や「複数資料型」の出題に慣れておきましょう。
文章だけでなく、図表などさまざまな形の資料を用いた出題形式も予想されます。
複数の資料から必要な情報を限られた時間で効率よく読み取ることができるように、《資料のどこに着目すべきか》《読み取るべき情報は何か》を意識して問題に取り組む演習を重ねておくとよいでしょう。
また、資料どうしの共通点・相違点をつかむ練習や、読み取った情報を別の言葉で一般化・抽象化してとらえる練習をすることで、紛らわしい選択肢が出されても対応できるようになるでしょう。
3 基礎知識を身に付けるとともに、知識を活用できるようになる
「実用的な文章」や「複数資料型」の設問が注目されがちですが、共通テストでは、漢字の設問や、古文文法・漢文句法の設問など、いわゆる「知識問題」も出されます。
共通テストで出される知識問題は標準的な内容が多く、比較的得点しやすいものがほとんどです。したがって、知識問題で確実に得点できるように、知識の定着を進めておきたいところです。
読解問題を解く際も──特に古文・漢文で──知識を活用する力が必要となります。
そのため、頻出古語、古文文法の習得は必須です。
漢文句法、漢詩のきまりも必ず押さえておきましょう。
スキマ時間に知識問題を扱ったドリルに取り組み、そのうえで、読解の設問を含む問題に取り組んだ際に、身に付けた知識が活用できているかを確認する演習をしていきましょう。
- さまざまなジャンルの文章・資料の「読み方」を身に付ける
- 複数の資料を関連付けて整理する力を付ける
- 漢字・語彙や文法といった知識の定着を進める
まとめ & 実践 TIPS
共通テストは、学校における学習だけではまったく太刀打ちできない「難しい」ものではありません。まずは、知識を確実に身に付けること、普段の生活から積極的にさまざまなジャンルの文章・資料に触れることを意識し、共通テストまでに複数の資料を関連付けて読む力を養成しておきましょう。
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