【国語】特別な対策が必要!?大学入学共通テスト分析と対策

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「大学入試センター試験」(以下、センター試験)に代わり、「大学入学共通テスト」(以下、共通テスト)が行われるようになって、今年度は3回目。

国語では、ここ数年、一つの大問に2つの文章が問題文として出題されたり、問題文に関わる資料が設問の中で示されたりする「複数資料型」の出題があり、その傾向は今年度も同じでした。

複数の資料を関連付けて整理する力が求められることや、目を通さなければならない文章や資料が増えた分、時間配分に注意しなければならないということがあり、特別な対策が求められるようにも感じられます。

しかし、ベースとなるのはやはり、高校の授業などで身に付けられる国語の知識・読解力です。そこで今回は、2023年度の共通テストの出題内容の分析と対策をご紹介します。

複数の資料を比較して整理する力が求められる!

共通テストは、センター試験とほぼ同様で、論理的な文章(主に評論)・文学的な文章(主に小説)・古文・漢文の4つの分野から出題されますが、センター試験と大きく異なり、複数の資料を関連付けて解く設問が出されます。

2023年度の共通テストの第1問(論理的な文章)、第4問(漢文)では、問題の冒頭で関連する2つの文章を提示する形式で、第2問(文学的な文章)、第3問(古文)では、設問内で別の資料を示す形式による出題がありました。

第2問では、実際の広告を【資料】として示し、【構想メモ】を作成し、問題文との共通点を考察する【文章】を書くという授業の設定に基づく設問が出されており、実際の授業現場を踏まえた出題であり、なおかつ3つ以上の資料を用いた出題となっていました。

第1問、第3問で、2つの文章を考察する会話文の空欄を補充する設問も出されており、会話の流れに沿って問題文全体の内容をとらえ直す力が求められています。

従来型のオーソドックスな出題に加えて、複数の資料を比較して整理する力が求められていると言えます。

  • ・複数の資料を比較して整理する力

共通テストで高得点をとるためのポイントは3つ!

共通テストの出題傾向から考えられる対策は3点あります。

①文章を正確に読解する力を身に付ける

複数資料型の問題を解く際には、複数の資料の《関係性をつかむ》、複数ある《資料のどこに着目すべきかを見極める》といったポイントがありますが、読解の基本として必要になるのは、資料の内容を正確に読み取る力です。

この力は、複数資料型ではない従来型の出題でも前提となるものです。
評論・小説・古文・漢文のどの分野でも、さまざまな文章に触れ、たとえば以下のような、文章に合った「読み方」を身に付けておきましょう。

・評論では、《文章のテーマ・話題》を押さえ、それに対する《筆者の主張》をつかむ

・小説では《場面状況》を踏まえて《人物の心情》をとらえる

・古文・漢文では《誰が-どうした》といった主述関係を押さえて物語の展開をとらえる

共通テストで出題される文章自体は、標準的な難易度のものがほとんどです。
教科書の文章を読む時や、市販の問題集に取り組む際に、上記のことを意識し、一つひとつの文章や資料を正確に読み取れるよう練習を重ねておきましょう。

②さまざまな形式の出題で、複数の資料を関連付けて読み取ることに慣れる

共通テストで高得点をとるためには、複数資料型の問題で得点できる力を身に付けることが必須です。

共通テスト対策の問題集などで複数の資料を関連付けて問う演習問題に取り組み、複数資料型の問題に慣れておきましょう。

また、メモやノート、表などいろいろな形の資料を用いた出題形式も予想されます。
そのため、資料同士を関連付けて共通点・相違点をつかむ練習や、読み取った情報を別の言葉で一般化・抽象化してとらえ直して考える練習を積み重ねておくことで、紛らわしい選択肢が出されても対応することができるようになるでしょう。

③基礎知識を身に付けるとともに、知識を活用し得点できるようになる

共通テストでも、漢字や語彙(ごい)の設問、古文文法・漢文句法の設問など、いわゆる知識問題が出されます。

したがって、知識問題で得点できるように、知識の定着を確実に進めておきたいところです。
読解問題を解く際も──特に古文・漢文で──知識を活用する力が必要となります。そのため、頻出の古文単語、古文文法の習得は必須です。漢文句法、漢詩のきまりも必ず押さえておきましょう。

まずはスキマ時間に知識問題を扱ったドリルに取り組みましょう。
そのうえで、読解の設問を含む問題に取り組んだ際に、身に付けた知識が活用できているかを確認する演習をしていきましょう。知識問題を確実に得点源にすることが高得点につながります。

  • ・資料の内容を正確に読み取る力
  • ・知識を活用する力

まとめ & 実践 TIPS

共通テストでは今後も、複数資料型の出題が続くと予想されますが、学校における学習だけではまったく太刀打ちできない「難しい」問題ではありません。

知識を身に付け、一つひとつの文章を正しく読み取る力を養成するとともに、普段の生活でも、関連する複数の資料について、その関係性を考えてみるなどして、共通テストで求められる思考法・考え方に慣れておくようにしましょう。

株式会社プランディット 国語課 井上(いのうえ)
編集プロダクションの株式会社プランディットで、進研ゼミを中心に、小学校から高校向けの国語の教材編集を担当。

プロフィール



1988年創業のベネッセ・グループの編集プロダクションで,教材編集と著作権権利処理の代行を行う。特に教材編集では,幼児向け教材から大学入試教材までの幅広い年齢を対象とした教材・アセスメントの企画・編集を行う。

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