やりたくないことから進路を決める!? 「将来の夢がないお子さま向け」大学選びのサポート方法

進路や大学を選択する上で、重要な決め手の一つとなる「将来の夢」。

「それはわかるけれど、将来の夢なんて特にない……」「将来の夢って大学に入ってから決めるのでは遅いの?」という考えや疑問を持っているお子さまも多いと思います。

実は、高校生の段階で将来の夢や仕事まで決めている人は、そんなに多くありません。

そこで今回は、「将来の夢がない」と悩んでいた先輩たちが、どうやって進路を決めたかをご紹介します。

先輩たちの体験や意見を参考にすることで、お子さまの進路が見えてくるかもしれません。親子で志望大について話し合うときはぜひ、参考にしてみてください。

この記事のポイント

今、お子さまが興味のある分野・学問に目を向けさせてみる

志望大を決めるのに、必ずしも将来の夢が決まっている必要はありません。

今勉強していて、お子さまが楽しいと思える教科や分野をヒントにすれば、お子さまの行きたい志望大・学部が自然と絞れるはずです。

将来の仕事に直接役立つかどうかは一旦別にして、まずは柔軟に考えるよう、お子さまにアドバイスしてみてください。

(元受験生の声)

滋賀大 データサイエンス学部 A・K先輩
将来の夢はいつできるかわからないものだから、今ちょっとでも興味のある分野に進むことが最も良い選択なのではないでしょうか。

入る学部によって職業が決まることはあまりないし、将来に不安をもっているということは将来について考えられているということだから、いつか転換期は来ると思います。

(元受験生の声)

日本大 生産工学部 T・S先輩
とにかく興味がある大学に行くこと! 将来の役に立つと思う大学や学部に進学しても、嫌になって見切りをつける人たちもいます。だから、将来役立つことより何を学びたいかが大切だと思います。

そうすれば、大学で真剣に学べるし、学んだことは仕事に直接影響は出ないかもしれないけれど、新しい発想などの手助けになるはずです。

(元受験生の声)

北海道大 教育学部 T・Y先輩
職業のことはとりあえず置いておいて、今興味があることに目を向けてみるとよいと思います。

私もよく、大学の就職先情報などを調べたりしましたが、同じ学部を出ても進路って本当にさまざまなんだなと感じました。だから、先のことを考えすぎなくてもいいのかなと思っています。

逆転の発想! やりたくないことから考えてみる

「興味のある分野・学問もわからない……」というお子さまには、逆にやりたくないことから考えていく方法をすすめてみてください。

視点を変えてみると、新しい道が見えてきたり、自分の「好き」がよりはっきりしてきたりして、選択肢の幅が広がるかもしれません。

(元受験生の声)

名古屋工業大 工学部 R・M先輩
「なりたい自分」で選ぶのではなくて「なりたくない自分」を想像してみてください。

やりたいことがないことは珍しくありませんが、やりたくないことは多くの人が持っていると思います。消去法で選んで、最後に残ったものの中で一番魅力的な学問が学べる大学を選んでみる方法もありますよ。

(元受験生の声)

九州大 経済学部 M・S先輩
大学卒業後、なるべく多くの選択肢を持てるような学部に行くのがいいと思います。

将来の夢が何もなくても、自分がまったく興味のない分野はわかると思うので、自分に合わないとはっきりわかっている学部を選ばなければ、意外と選択肢は増えるのではないでしょうか。

将来の選択肢を増やす進路を考える

「好き」「嫌い」という考え方とは別に、「将来の選択肢を増やしておく」という考え方があります。

今はやりたいことがなくても、大学生活の中でやりたいことが見つかるかもしれません。大学在学中に、あるいは卒業してから、そのやりたいことが実現できるように、選択肢が豊富にある進路を選ぶということです。

具体的には、以下のような視点で志望大を検討してみましょう。

・さまざまな学部や学科がある総合大学を選ぶ
・入学後に学部や学科を選べる大学にする

一部の大学では、2年生の時に、3年生から学ぶ学部・学科を決めたり、転学部ができるところもあります。
事前にお子さまと一緒に調べておくと、志望大を選ぶときに役立ちます。

(元受験生の声)

三重大 教育学部 M・A先輩
入ってからの間口が広い大学を探すことをオススメします!

私は教育学部なのですが、教育学部では一般の企業に就職する人は少数派です。強い夢がないならば、先生を目指すための「教育学部」や医者を目指すための「医学部」といった、入ってから進路を決めることが難しい大学は選ばないほうがいいです。

人文学部などは大学に入ってから、自分の興味のある分野を探すことができると思います。

同じ教育学部でも、大学により先生を目指す人が多数を占めるのか、一般企業に就職する人が多いのかは異なります。教育学部を目指す際にはお子さまとチェックしておきましょう。

(元受験生の声)

横浜国立大 経営学部 M・T先輩
専門的な学部に進学するのではなく、経済学部など割と就職先が幅広いところに行くことをおすすめします。

今将来の夢がなくても、大学の4年間を経れば、きっとやりたいことが見つかります。焦りは禁物なので、大学に入ってからじっくり考えてみるのもいいと思います。

(元受験生の声)

工学院大 情報学部 K・S先輩
学部を転部できる大学や、あとから学科を決められる入試方式などで、焦らずに進路決定できるところもあります!!

目標を決めると勉強のやる気も上がる!

「将来の夢がない」と悩んでいた先輩たちが、どのように考えて進路を決めたのか、伝わってきたのではないでしょうか。

何より大切なのはお子さまの意思ですが、志望大を検討する際は、就職のサポートも確認しておくと、より安心です。大学によって、卒業後の就職率や就職先の実績は異なりますので、下記4つの観点をお子さまと一緒に調べておくことをおすすめします。

1.就職状況、就職率
2.ゼミ・研究室と企業との連携・共同研究
3.就職支援の充実度
4.キャリア開発プログラムがあるか

なんとなくでも志望大などの目標があると、それだけでモチベーションが大きくアップします。先輩たちの体験談や今回ご紹介した保護者ができる大学選びのサポート方法をヒントに、お子さまと将来の進路、そして志望大について考えてみましょう。

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