学部横断型で学ぶ、先進のグローバル教育 専門性を生かして世界を舞台に活躍する人材を育成【変わる大学】

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新興国の急成長やM&A市場の活性化などにより、ビジネスのグローバル化が加速する現在。海外在留日本人(※1)は2019年には約141万人を超え、過去最多を更新し続けています。そのような時代において、大学教育には今後どのようなことが求められるのでしょうか。

そこで今回は、世界を舞台に自身の専門性を発揮できる人材育成を見据え、学部横断型のグローバル教育を行っている成蹊大学の事例をご紹介します。

この記事のポイント

学部横断型のプログラムだからできる、学部専攻×EAGLEの二刀流の学び

成蹊大学では2020年4月、文系4学部6学科を対象に、入試で選抜された30名の学生が少人数で学修する、学部横断型グローバル教育プログラム「EAGLE」(Education for Academic and Global Learners in English※2)をスタートさせました。

このプログラムは、各学部学科に所属しながら参加するため、学部や教養科目で身に付けるアカデミックな「専門性」に加え、高い英語力やグローバルな視点など「国際性」を身に付けられる二刀流の学びを大きな特長としています。
各自の専門分野を学びながら、それと並行して4年間を通じ「グローバル市民」としての知見・教養とビジネスや実社会で求められる実践的なスキルを磨き、国際的なキャリアをめざします。

入学後から実践的な英語力とコミュニケーション力を鍛え、海外留学へ

「EAGLE」では1年次の夏休みに、英国ケンブリッジ大学への短期留学が設定されています。EAGLE生全員が参加するこの短期留学では、ケンブリッジ大学の学生と共にキャンパス内に3週間滞在して英語や専門科目を学び、グローバルな知見と教養を身に付けます。ここでは一般的な短期語学留学とは異なり、語学に加えて、アーキテクチャー(建築)、アート&ヒストリー(芸術・歴史)、サイエンス(科学)といったアカデミックな専門テーマについても学修します。

さらに、1年次の2月には留学やその先のグローバルなキャリアに必要なスキルを身に付けるための4日間の短期集中プログラム「エンパワーメントプログラム」が用意されています。海外の一流大学の大学生や教員と、英語でのディスカッションやプレゼンテーションを繰り返すことで、臆することなく英語で自分の意見を伝える力を身に付けます。
EAGLEの運営の責任者である国際教育センター所長の遠藤不比人教授は、「5日間という短期間のプログラムではありますが、初日と最終日では学生が見違えるように成長します」と語ります。

2、3年次には各自半年から1年間の中長期の海外留学に参加。成蹊大学では、留学先大学で修得した単位を成蹊大学の単位として認定する単位互換制度があります。この制度を活用することで、4年間で卒業することもできます。

海外インターンシップや実践的プログラムで、グローバルキャリアを支援

「EAGLE」は将来的にグローバルに活躍できる能力を養成することを大きな目的としています。成蹊大学の海外ネットワークを活用し、海外留学やキャリア支援に関わる多くのプログラムを用意。学生それぞれが、留学期間の設定をはじめ、国内外のインターンシップ参加など、自身のキャリアデザインに応じて、自由に選ぶことができます。

3年次にはEAGLE専門科目「Global Career Design」を受講し、実務家の講師陣からビジネスの最先端を学びます。
さらに、成蹊学園の国際教育センターとキャリア支援センターが連携して実施している日系企業の海外現地法人での海外インターンシップや、学部横断型の産学連携人材育成プログラム「丸の内ビジネス研修(MBT)」に優先的に参加することが可能です。
世界的なグローバル企業のビジネス現場や課題解決を実践的に体験することを通じて、学生のより国際的なキャリア設計を支援していきます。

なお、「EAGLE」では全学生が中長期の留学をめざしますが、「海外留学には行きたいけど、費用面が不安……」という学生や保護者の方がいるのも事実です。学生の学修意欲を存分に発揮できるよう、成蹊大学では留学奨学金・補助金制度を設けています。留学期間中の成蹊大学納付金の3分の2が減免されるほか、留学形態・留学先・留学期間に応じた留学奨学金の給付や留学先教育機関の授業料免除、補助金給付の制度があり、意欲ある学生に対して経済的なバックアップを手厚く行っています。
さらに、EAGLE生にはケンブリッジ大学短期留学のプログラム費補助(予定)や留学奨学金増額といった追加支援を準備しています(※3)。

コロナ禍でも新しい試みを実施。進化を続ける「EAGLE」プログラム

2020年に始まった「EAGLE」は、コロナ禍においてもよりよい学びを提供するために、数多くの試みを行っています。

昨年度はオンラインで対応していた講義も、飛沫のリスクが高い語学の講義を除き、現在は可能な限り対面で実施。少人数制での実施とすることで、感染のリスクを避けながら効果的な学習が行える体制を整えています。
また、国際交流についても、海外の大学とコミュニケーションを行うオンラインプログラムなどを実施。海外の学生とオンラインでつながる機会を数多く設けることで、語学学習だけではなく、今後再開予定の海外留学につながる人的ネットワークを事前に形成することも目的としています。

さらに、今年度の「EAGLE」は新たに7名の客員教員を迎え、よりグローバルな学びの環境を整えました。文学部と法学部からは専門科目を担当する各2名の客員教員が海外から見た日本文化や国際政治、国際的な課題である難民問題などについての講義を拡充しています。
また、学生のグローバルなキャリア設計の支援を目的に、外資系金融機関で活躍してきた企業家の渋澤健氏、スタンフォード経営大学院出身の実業家・経営コンサルタントの海部美知氏、ハーバード大学、ジュリアード音楽院をともに首席卒業したバイオリニスト・起業家・著作家の廣津留すみれ氏の3名を客員教員として招きました。アカデミック(専門分野)とプラクティカル(実践的)な学修を組み合わせることで、刺激的な学びを創出しています。

グローバルな舞台で活躍できる人材を育成

「EAGLE」はグローバルな舞台で活躍できる人材の育成を目的として、入試の段階からキャリア支援まで一貫した設計がされていることも特長です。EAGLE生は、成蹊大学の「2教科型グローバル教育プログラム統一入試(G方式)」(※4)で選抜されます。英語と国語のほか、高校時代の「活動報告書」や語学試験のスコアによる選考を実施。グローバル人材としての基礎的素養や行動力などを評価しています。

その後、4年間のプログラムを通じて「グローバル市民」としての知見と教養、実践力を身に付けていきます。卒業後はグローバルに展開する商社や外資系企業などで活躍するビジネスパーソンをはじめ、多様な業界の国際部門、国際機関やNGOの職員、国際的に情報発信するメディア人材などの進路が広がっています。

遠藤教授は、「専門性と国際性を生かして、国内外が大きく変化するグローバリゼーションが進む流れをチャンスと捉えて、変化に対応し活躍できる人材をめざしてほしい」と話します。日本語話者としてのアイデンティティを持ちつつ、世界の中での日本を考えて活躍できる人材。数年後にはEAGLEから輩出される人材が、世界各地で活躍する未来がきっと訪れることでしょう。

※1 外務省海外在留邦人数調査統計
https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/page22_003338.html

※2 成蹊大学 グローバル教育プログラム「EAGLE」
https://www.seikei.ac.jp/university/eagle/landing/

※3 成蹊大学 留学に関する奨学金について
https://www.seikei.ac.jp/gakuen/siis/abroad/scholarship.html

※4 成蹊大学 「2教科型グローバル教育プログラム統一入試(G方式)」
https://www.seikei.ac.jp/university/s-net/admissions/general/form_g.html

成蹊大学
https://www.seikei.ac.jp/university/

本掲載情報は2021年8月時点のものです。
監修 / 進研アド

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