薬学ってどんな学問? 学ぶ内容や大学選びのポイント、取得できる資格についても解説

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薬学は医学分野と協力しながら薬の研究をする学問です。研究分野は主に4つの系統に分けられ、新薬の開発、薬の副作用や適切な使い方といった研究テーマが見られます。卒業後の仕事としては、薬剤師として働いたり研究施設で薬学の研究を行ったりするケースが多く見られます。

この記事のポイント

薬学とは?

薬学とは、医学分野と協力しながら、人々の回復を手助けする「薬」の可能性を追究する学問です。

医学は大きな進歩を遂げていますが、一方で新しい病気も次々に発見されています。こうした病気に対して新しい治療薬を開発する、副作用を研究する、より効率的な製造法を生み出すといったことが薬学に課されたテーマです。

薬学が発展することで、がんや心臓疾患などの病気と根気強く闘ったり、あるいは完治しにくい病気とうまくつき合って生活したりすることができます。

薬学では何を学ぶ? 研究分野やテーマ

薬学には、大きく分けて「薬剤師を養成すること」と「研究者の養成すること」という二つの側面があります。

薬剤師になるには6年制の養成課程で学び、その後「薬剤師国家試験」で合格しなければなりません。しかし、診察後に院外の薬局で薬を受け取る「医薬分業」が中心となった今、安全かつ効果的に薬を使うには薬剤師がとても重要な存在となっています。

薬学の研究者を養成するという面では、主な研究分野は次の系統に分類できます。

  • 製薬学系:新しい薬の開発や、効率的な生産方法を研究
  • 医療薬学系:薬の病気に対する作用、副作用、適切な使用法を研究
  • 衛生薬学系:医薬品や食品添加物の特性、人体への影響などを研究
  • 生物薬学系:微生物などの生物を利用したワクチンの作用や安全性などを研究

他にも、医学、バイオテクノロジー、CG(コンピュータグラフィックス)の活用など、他の学問・分野と連携した研究が積極的に進められ、新薬開発や薬の分詞構造の解明、薬の性質の理解などに役立てられます。

薬学の講義の内容・カリキュラム・時間割の例

薬学の授業は「基礎薬学」と「応用薬学」の2つの分野に大別できます。それぞれの分野で、講義、実験、実習の授業が設定されています。

薬学のカリキュラムと授業内容

薬学では、基礎的・理論的な学習を行う基礎薬学と、それを活用する応用薬学があります。それぞれに講義、実験、実習があるのが特徴です。

<薬学の2分野と学ぶ領域>

  • 基礎薬学:有機化学、薬化学、無機化学、分析化学、物理化学、放射化学、高分子化学など
  • 応用薬学:製薬学系、医療薬学系、衛生薬学系、生物薬学系

医学と同様、薬学においても実験・実習は非常に重要。調剤(薬局や病院の薬剤部で行われる薬の調合)、製剤(製薬会社での薬の製造)の基礎技術を学ぶとともに、実際に外用薬(塗り薬)を作ったり、患者に薬の飲み方を教えたりする実習などもあります。

薬学の時間割の例

実際に薬学を専門とする先輩の時間割例を見てみましょう。

先輩の時間割では、午前中に理論的な学習を中心とする講義を受け、午後に実習を行う日が多く見られます。実習のない日も、演習や薬学分野の専門用語・表現を学ぶ「薬学英語」、臨床医学に関わる講義など、盛りだくさん。法律について学ぶ講義もあります。

薬学を学んで取得できる資格や卒業後の仕事

薬学を学んだ人は、薬剤師国家試験で免許を取得して病院や薬局で就くケースと、厚生労働省などの官公庁、衛生試験所、製薬・化学・食品メーカーなどで、薬の開発・改良などを行う研究者として働くケースが多くなっています。

一方で、さらに薬学の研究を進めため大学院へ進学する人も増えています。

薬学を学べる大学選びのポイント

一般的に、薬学は薬学部に設置された学科で学びます。多く見られる学科名は「薬学科」です。また、「薬科学科」「創薬化学科」「医療薬学科」といった名称を使っている大学も目立ってきました。

薬学を学べる大学は全国にありますが、中には漢方などの生薬関係に注力している大学も。薬学の主要な系統や分野など特定の分野に強い大学もありますので、大学案内や大学の公式サイトでじっくり検討するとよいでしょう。

薬剤師として働きたい人は、薬剤師国家試験に向けたサポート体制の有無も重要です。その大学のカリキュラムにそうしたサポートが組み込まれているかどうかもチェックしましょう。

まとめ & 実践 TIPS

薬学では、症状を和らげたり病気を克服したりするために不可欠な薬の研究を行います。研究分野は大きく4つの系統に分かれており、新薬の開発や副作用の研究、医薬品などの特性の研究、ワクチンに関する研究といったテーマが見られます。

卒業後の仕事は、薬剤師として調剤業務に従事する人と研究施設で研究を行う人が多いようです。薬剤師国家試験を受験する予定の人は、その大学で学べる分野の他、試験対策のサポート体制があるかどうかもチェックしましょう。

出典:マナビジョン 学問情報 「薬学」
https://manabi.benesse.ne.jp/shokugaku/learning/system/043/index.html?utm_source=kj&utm_medium=banner&utm_campaign=manabi

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