【4年生】 受験勉強の基盤をつくる [中学受験歳時記コラム ~いま取り組むべきこと~ 第57回]

保護者の役割は、子どもの成長に応じてベストのタイミングで働きかけ、環境を整えていくこと。6年生の1月~3月に行われる入試に対応するために、毎年の受験生活は○月にはこれを、と目標とするべきスケジュールがあり、それは歳時記のようにも感じられます。
このコラムでは、4年生から6年生のお子さまと保護者のかたに、毎月特に取り組んでほしい重点事項を紹介していきます。
前回までに続き、今回は4年生を対象に、12月に取り組んでほしい課題について取り上げます。



「点をとる楽しさ」に注意を向けて

4年生も12月に入ると、そろそろ受験生という自覚も生まれ、成績を気にし始める子どもも増えてきます。そういうきざしが見えてきたら、保護者のかたはぜひ「点を取る楽しさ」に注意を向けさせてあげてください。最初は、成績が上がったら夕食は好きなメニュー、目標点がとれたら欲しいものを買ってあげる、あるいはおでかけや小旅行といった「ごほうび作戦」でよいと思います。お子さまの中で「よい点がとれると楽しいことがある!」というサイクルが回りだすと、学ぶこと、わかることそのものの楽しさもあとからついてきます。

特に点がとりやすいのは理科、社会です。単元によって得意・不得意の差は出ますが、得意な単元はどんどん点をとらせて「得意がらせて」あげてください。以前もお伝えしたとおり、理解できない単元があっても今はあまり気にせず、楽しいフィールドワークで興味をつなげておくのが大切です。



国語は好きなジャンルの文章で下地づくりを

逆に精神的な成長の度合いによって、個人差が出やすいのが国語です。特に男の子は一般的に女の子より幼いためか、国語は不得意という子が多いですね。物語文での登場人物の心情の読み取りなどは、認知度が上がり、精神的にも成熟してくるにつれできるようになってきますから、今から読解のテクニックを身に付けさせようと焦る必要はありません。ただし、お子さまの好きな教科や趣味に関する文章を題材に、国語力の下地づくりをしてあげてください。国語が苦手なら、国語の問題集をやらなくてもいいのです。

歴史が好きなお子さまなら、好きな戦国武将についての文章を一緒に読み、「どんなお話だった?」「どんな作戦で戦ったの?」などと文章の内容を尋ねたり、その文章の内容を絵に描く、指示語があればその内容を聞くなど、文章を題材に遊ぶ感覚でよいと思います。5年生、6年生で国語の苦手なお子さまの悩みは「読むスピードが遅い」「正確に読み取れない」といったことですが、今から好きな文章で読むことに慣れておけば、語彙(ごい)力も、ある程度の速さで正確に読む力も付いてきます。



算数は学習習慣で差が付く

算数は、5年生の1学期まではさほど難易度の高い問題をやりませんので、コンスタントに勉強さえしていれば、さほど個人差は付きません。今大切なのは、学習習慣をしっかり付けることです。4年生の算数の問題は、さほど難しいテクニックを必要とせず、パズルや謎解き要素が多いですから、保護者のかたも楽しめるのではないかと思います。ぜひ、毎日1時間か1時間半、親子で楽しく勉強する習慣を付けておいてください。「解ける」うれしさを味わいながら、コツコツ基礎の積み上げをしておくことが、今いちばん大事です。

また、今のうちに数学的な感覚を養っておくのもよいですね。脳の動きと手の動きは直結していますから、折り紙やブロックなどの遊びも立体感覚を養うことにつながりますし、数の世界を五感で楽しめる「数学体験館」のような施設に親子で出かけるのもおすすめです。



保護者は受験勉強の「ゴール」を見て

なお、お子さまを塾には通わせているけれど、本当に中学受験させるかどうかには迷いがある、というかたもいらっしゃると思います。この時期おすすめしたいのは、志望校の実際の入試問題を見ていただくことです。国語なら、6000字程度の文章を20分程度で読みこなさなければならないケースが多いですし、算数なら大人にとっても相当難易度の高い文章問題や図形の問題が解けなければなりません。6年生の子どもが、そこまでできるようになる。受験するなら、そういう子どもに育てたいという覚悟がないと、お子さまのために選択する学習法などの方針がふらついてしまい、結局よい結果にはなりません。

「受験生の保護者になる」。保護者のかたご自身が、そのための覚悟と方針を、ぜひこの冬のうちに固めていただきたいと思います。

次回は、5年生を対象に、12月に取り組んでほしい重点課題について取り上げます。


プロフィール

森上展安

森上展安

森上教育研究所(昭和63年(1988年)に設立した民間の教育研究所)代表。中学受験の保護者向けに著名講師による講演会「わが子が伸びる親の『技』研究会」をほぼ毎週主催。

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