受験生の定期テスト対策 入試につながる学習法と見直し [高校受験]

内申点を左右し、志望校の合格可能性に影響する定期テスト。今回は、入試につながる学習法とテスト後の見直しについてお話しします。

教科書に載っている図表やグラフもチェックを

定期テストの出題範囲は、高校入試でも問われる可能性が高いところですから、今の段階で入試レベルの問題までできるようにしておければ理想的です。近年の高校入試では、提示された資料を読み取って考察するなど、思考力を問う問題が増えています。用語をバラバラに暗記するだけでなく、単元の内容を流れで理解し、頭を整理しておくこと、教科書に載っている図表やグラフなどもしっかりチェックしておくことが、今後ますます大切になってくるのです。この点は、ぜひお子さまに注意を促しておいてください。

授業ノートを活用し、記憶を定着させる

なお、実際に体験したことは、単なる知識より記憶に残りやすいといわれています。ですから、自分が受けた授業のシーンを思い出しながらノートを見直し、そこに教科書や参考書から重要ポイントを書き足していくと、学習内容がより自分のものとして身に付きやすくなります。また、ご家族や友達同士でテスト範囲の内容についてクイズを出し合うのも、記憶を定着させるのに有効です。

おかしやすいケアレスミスの傾向を知る

テスト前日は、翌日テストがある教科の見直しに当てるとともに、前回のテストの答案をざっと見ておくと、ケアレスミスの防止に役立ちます。ミスにはたいてい癖があります。ピリオド・句読点の付け忘れや、理由を聞かれているのに文末を「から。」「ので。」にしていないなど、お子さまのおかしやすいミスの傾向をつかんでおけるとよいですね。

テストの答案が返ってきたら

お子さまがテストの答案を見せてくれたら、まずその場で感情を吐き出さないことが大切です。点数が期待どおりでない場合、その結果を責めてもまったくよいことはありません。答案からご本人の努力の跡を認め、よいところを見つけてあげてください。その後、ひと呼吸おいてから、「この単元はよく理解していないようだ」「記述問題では惜しいところで減点されている」など、できるだけ客観的に答案を見て、どこに力を入れて復習するとよいかお子さまと話し合うとよいでしょう。

また、入試に向けて、定期テスト範囲の学習内容は、記憶が新しいうちに復習するのがいちばん効率的であることも伝えてあげてください。
いちばん大切なことは、ご本人がどれだけポジティブな気持ちで定期テストに臨めるか。そして、その結果をいかに真っすぐ受け止められるかです。定期テストで弱点が見つかっても、それを入試に向けて克服していければ、弱点は自信に変わります。

「なぜここができないの」ではなく「ここをがんばれば大丈夫」というように、お子さまの中に自信が育つよう、前向きなアドバイスをしてあげてください。

(筆者:安田理)

プロフィール


安田理

大手出版社で雑誌の編集長を務めた後、受験情報誌・教育書籍の企画・編集にあたる。教育情報プロジェクトを主宰、幅広く教育に関する調査・分析を行う。2002年、安田教育研究所を設立。講演・執筆・情報発信、セミナーの開催、コンサルティングなど幅広く活躍中。
安田教育研究所(http://www.yasudaken.com/)

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