浪人生に休みなし マンガ家の母がムスメを見て思うこと
高校を卒業し、大学受験をめざして浪人中の長女を抱える、マンガ家のおぐらなおみ氏。予備校では模試が頻繁に行われるが、中には、疲れも相まって答案に何も書けない生徒もいるらしい。ベネッセ教育情報サイトでは、そんなおぐら氏に、近ごろの思いをたずねた。
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夏を制するものは受験を制する。確か去年もそう言っていたような気がしますが、暑くて思い出せず。(そしてもう来年は言いたくない、言いたくないんだ……。)
受験のための勉強というものは、反復反復、暗記暗記の繰り返し。「これ、去年もやったやんけ!」と叫んでもむなしく響くだけ。ただ黙々とこなしてはいるようですが、精神的なつらさに加えてこの暑さ。さすがのムスメも食欲がまったくわかず、食事が楽しくないそうです。
予備校に通っている人たちの中にも、そろそろ午前中の授業には出られない人や、自習室の常連さんで顔を見かけない人も出てきたそうで、「なんだか気持ちがショボーンとする。」とはムスメの談。うちのムスメは見かけによらず「熱い女」なので、せっかく縁あって同じ予備校に来たのだから、全員が志望校に合格できるようにがんばってほしい! などと、気持ちをたぎらせるタイプ。模試で何も書かずに答案に突っ伏してしまった人にもその思いが届くといいな、と思います。
先日行われた予備校の保護者会で、「どうしても自分の子どもには期待も大きくなるし、口やかましくなりがちですが、そんなときには親戚の子どもを預かっていると思ってください。」と言われて、思わず笑ってしまったのですが、同じ予備校に通っている仲間たちも、私にとってはもはや「親戚の子」くらいには応援する気持ちになっています。
がんばれ浪人生! 今を乗り切って来年はすばらしい春を迎えよう!
……もちろん、これを一番に伝えたいのはうちのムスメなのですが、最近親の声をうるさがるので強く強く、念として送っておきます。
出典:それは友情なのかしら? なう。[大学受験] -ベネッセ教育情報サイト