子どもの「苦手意識」にどう対応しますか?[やる気を引き出すコーチング]
中学校や高校で講演をさせていただくと、後日、生徒さんの感想文が届くことがあります。
コーチングの考え方に触れて、
「『自分もやれるかも!』という気持ちになった」
「あきらめていたけど、夢はかなうと思えた」
などの前向きな感想が寄せられ、こちらのほうがとても力づけられます。
一方で意外と多いのがこんなコメントです。
「人と話すのが苦手なんですが、どうしたらいいですか?」
「夢の実現のためには英語力が必要なのですが、苦手でなかなか改善できません」
子どもたちは、さまざまな苦手意識を持っているようです。それを克服するにはどうしたらよいのでしょうか?
「苦手」のイメージをさしかえる
就職カウンセリングに来る生徒さんで、「初対面の人と話すのは苦手」「とにかくコミュニケーションをとるのが苦手」という生徒さんはけっこう多いです。
「それは困ったね! まず、そこを克服しないと、就職は難しいよね!」というようなことは言わないことにしています。「これ、苦手だよね。もっとがんばろう!」と指摘してしまうと、実はかえって苦手意識が増幅するのです。
こんなご経験はありませんか?
「あなたは、英語はできるけど、数学がね……。もっとがんばらないとね」などと親や先生に言われて、ますます数学が嫌いになってしまった。実はわたしもその口でした。「苦手克服!」と言われれば言われる程、「できない」意識が強くなり、苦手になっていくのです。
「そう、苦手と思ってるんだね。どんなところが苦手だと思うの? どんな時に困るの?」
まず気持ちを受けとめ、質問をしながら、対話を続けてみます。
「今日、○○さんと初対面で話をしているんだけど、すごくコミュニケーションをとるのがうまいなーって感じたよ」
「えー? そうですかー?あんまりちゃんと話せてないと思うけど……」
「大丈夫! 何を伝えたいかわかるし、それに、わたしの話をちゃんと聞こうという姿勢ができているよね。面接試験も基本的にこんな感じの対話だから。十分コミュニケーションがとれると思うよ」
子どもたちは実際に取り組む前から、自分で勝手に「できない」イメージを作ってしまっているだけだったりします。苦手と思っていることは本当に苦手なのか? もしかしたら、苦手じゃないかもしれないという体験をどんどんしてもらうよう心がけています。
「ちょっとやってみる」の実践
そのために、実践していただきたいのが、「ちょっとやってみる」という体験です。苦手科目であれば、一番簡単な問題を「ちょっとやってみる」。やってみたら、意外とできた! はい、今日はここまで! あまり無理をせず、急ぎ過ぎず、「ちょっとやってみる」を繰り返していきます。
学習塾の先生がおっしゃっていました。まず、「やったらできた!」という体験を何度も積ませることが、子どもたちから勉強に対する意欲を引き出していくコツだそうです。そして、どんな簡単な問題でも、「できたね!」「これができれば、次もいけるよ!」「だんだん早くできるようになってきたね!」と認め、励まし続けるのだそうです。
「子どもたちは必ずできるようになるんですよ! 『苦手だと思っているだけ』なんです。だから、こちらが『この子はこれが苦手』と決めないことが大事です。まず、『試しにやってみようよ!』、そして、できたら、『ほら、できたよね!』。この繰り返しです。『この子はできる!』というところから、こちらが降りてはダメです」
なるほど! この先生のお言葉にも、コーチングの哲学を感じました。
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