まずは「1行問題」から 中学受験のプロが教える算数の文章問題克服法

まずは「1行問題」から 中学受験のプロが教える算数の文章問題克服法読解力が足りないせいか、算数の文章問題に苦戦している小6女子。保護者は、「読書をすることで、文章に慣れてくれれば」と願うが、果たしてこれは有効な対策なのだろうか? 文章問題への取り組み方を平山入試研究所の小泉浩明氏がアドバイスする。

 

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【保護者からの質問】
計算はできますが、文章力がないため文章問題に悪戦苦闘しています。じっくり考えれば解けるのですが、途中で考えることが嫌になるようです。読書することにより、文章に慣れてくれればと思っています。(小6女子の母親)

 

小泉氏からのアドバイス
算数の文章問題には特有の表現や考え方などが多く、残念ながら、読書で文章に慣れるだけでは上達しません。まず、その単元特有の表現でつまずく場合があります。たとえば、損益算では「原価」「定価」などの表現が理解できていなければ、正しい数式を導くことはできません。こうした各単元特有の言葉は、読書ではなかなか出てきません。単元ごとの表現が何を意味するか、一つひとつ理解する必要があるのです。

 

次のつまずきは、問題文には表れない「条件」「公式」「考え方(解き方)」などを知らない、または思い付かないということです。文章問題では、単元特有の公式、定理などを問題文から読み取って思い付く必要があります。たとえば植木算では、「木の本数=間の数+1(両はしにも植える場合)」といった知識を使わなければ数式は立てられないでしょう。

 

文章問題を克服するには、各単元の解き方や特有の表現が詰まっている「3行問題」や「1行問題」などを多くこなすことです。これにより、問題文をつまずくことなく読み、必要な定理・公式・考え方を思い出し、数式にまとめて答えを導き出すことができるようになります。算数の実力は問題量に比例するといわれています。基本問題を解けるようになったら、次は練習問題に挑戦しましょう。最後には入試問題を解く力が培われていくと思います。

 

出典:算数の文章問題に慣れさせるのに読書は有効でしょうか[中学受験] -ベネッセ教育情報サイト

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