文章の読解力がなく、一度理解したと思っても翌日には答えられない[中学受験]

平山入試研究所の小泉浩明さんが、中学受験・志望校合格を目指す親子にアドバイスする実践的なコーナーです。保護者のかたから寄せられた疑問に小泉さんが回答します。


【質問】

文章の読解力がほぼありません。答えを見せながら、どうしてこの答えになるのかを説明し理解させますが、もう一度質問をすると正解が言えません。たとえその場で答えられたとしても、翌日に同じ問題をさせると、正解することができません。
どのように指導すればよいでしょうか?

相談者:小4男子(大ざっぱなタイプ)のお母さま



【回答】

読解力だけでなくいくつかの可能性を考える


■読解力を確かめるための方法
「読解力はほぼありません」ということですが、お子さまの読解力を確かめる方法はいくつかあります。たとえば、お子さまに音読させて、意味がわからない言葉や言葉のつなぎ方などをチェックします。また、ひと通り読ませたら、説明的文章では、段落と段落の関係や文章全体における段落ごとの役割を確認してみます。どこが「話題」で、どこが「まとめ」なのかなどを説明させてみましょう。

あるいは、1つの文章を読んだら、それがどんな話だったかをまとめさせます。「○○の話」などとひと言で言えるようであれば、少なくとも全体を理解する力は十分にあると考えられます。長さとしては、たとえば「温暖化により地球の環境が破壊される恐れがあるという話。」という程度がよいでしょう。まだ4年生ですから、説明文の話題は「自然環境」や「動植物」のことが多いと思います。文章もそれほど長くないでしょうから、ある程度の読解力があればひと言でまとめることはできると思います。

■決め付けないで他の可能性も考える

ただし、こうした読解力の有無をチェックするだけでは問題は解決しないかもしれません。原因を読解力に決め付ける前に、いくつかの可能性を探ってみることが必要です。たとえば、「もう一度正解を言わせても言えません」とありますが、それはどのような設問の場合だったのでしょうか。もしその設問が選択肢問題や抜き出し問題であったら、読解力の問題だけではなく、お子さまが説明をあまり聞いていなかった可能性も考えられます。

こうした設問形式の問題は、その答えが正解である理由まで言わせたとしても、1回覚えてしまえば答えることはできると思います。もし説明できないとしたら、説明をちゃんと聞いていなかったか、あるいは理解しているようにしていただけかもしれません。そのような場合は説明を一方的にするのではなく、理解度を測るために、なぜそうなるかを適宜質問しながら説明するとよいでしょう。一般的に、先生が気分よく説明するわりには、生徒は理解していないようです。説明が長くなれば、生徒の考えようとする意欲は少なくなるのが常だと考えたほうがよいかもしれません。

■記述問題のやり方を知らない可能性もある

設問形式が選択肢問題や抜き出し問題ではなく、記述問題の場合はどうでしょうか。記述問題の場合は、確かに問題文の理解が足りないために答えられない可能性はあります。しかし、記述問題の解き方自体がよくわかっていない可能性もあります。つまり、問題文の内容はある程度理解しているが、問われていることをどのようにして書いていけばよいかわからないのです。

記述問題の答案の書き方には「手順」や「型」があり、それに沿って書いていけば、ある程度の内容は書けます。「手順」とは、既に何回か説明しているとおり、記述の答案は「理由+相手+キーワード+文末」という「型」があり、それぞれの部品を集めてまとめるという考え方です。この方法を知っているのであれば、少なくとも既に説明されている問題であれば、再度組み立てることはそんなに難しくないと思います。ですから、もしそれができないのであれば、記述問題の手順に関する知識が少ない可能性も疑う必要があると思います。

■問題解決には複数の要因を考える

ある問題ができない場合、つまずいている原因は人によってさまざまです。しかもそれらは複数で、複雑に絡み合っている場合もあります。ですから、原因を1つに決め付けないことは重要です。決め付けるのではなく、具体的にチェックしながら1つひとつ解きほぐしていくのが指導者である先生、あるいは保護者の役割でしょう。決め付けは問題を長引かせるだけで、問題解決にはならないと思います。可能性をいくつも考えながら、原因を絞っていくという姿勢が大切です。


プロフィール

小泉浩明

小泉浩明

桐朋中学・高校、慶応大学卒。米国にてMBA取得後、予備校や塾を開校。現在は平山入試研究所を設立、教材開発など教務研究に専念。著作に「まとめ これだけ!国語(森上教育研究所スキル研究会)」などがある。

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