「1月入試」の活用法 [中学受験] 6年生

保護者の役割は、成長に応じてベストのタイミングで働きかけ、環境を整えていくこと。6年生を対象に、入試解禁日より前に行われる入試、いわゆる「1月入試」について取り上げます。



■「1月入試」とは?

東京・神奈川の入試解禁日は2月1日。これに先立って、埼玉県、千葉県では1月に入試が行われます。また、首都圏会場入試を1月に行う他府県の学校もあります。東京、神奈川の受験生が、腕試しとしてこれらの入試を受けることを、一般に「1月入試」と呼んでいます。近年は、「ぶっつけ本番」で2月を迎えるケースも増えていますが、依然、1月入試を利用する受験生は多いようです。



■1月入試のメリット

・入試本番の雰囲気に慣れることができる
腕試しであれば模擬試験でいいのでは、と思われるかたは多いと思いますが、やはり本物の入試の雰囲気は独特です。その雰囲気の中に身を置いて問題を解く経験をしておくと、2月の入試であがらずにすみ、気持ちの余裕も出てきます。

・今年度の入試傾向がわかる
理科・社会の時事問題、算数の問題形式など、中学入試には年度により、ある程度トレンドがあります。1月入試を受けることで、今年度の入試問題の傾向がつかみやすくなります。

・冷静に試験結果の分析ができる
本来、テストで一番大切なのは結果ではなく、「結果の見直し」です。答案を検討、分析して反省点を見つけ、次にどう生かすかが重要なのです。しかし、志望校、本命校の入試であれば合否に気持ちがいきすぎて、冷静に分析を行うことは難しいと思います。その点、1月入試は、結果を丹念に分析して2月本番への対策を立てるのにうってつけです。これが、1月入試を受ける最大のメリットといえます。



■合否に過剰反応せず、具体的な反省点を見つける

1月入試を受ける場合、一番気を付けたいのは「合否」の取り扱いです。不合格になった場合、子どもを落ち込ませないためにも、合格だったからと有頂天になって気が抜けるのを防ぐためにも、重要なのがコーチングです。入試のあと、お子さまと一緒に結果の検討・分析を行って、具体的な反省点を見つけていきましょう。漠然と「勝った」「負けた」と思っているだけ、というのが一番よくありません。できればコーチングの上手な先生に答案を見てもらえるとよいですね。塾の先生がコーチングをしてくれる場合もありますので、事前に確認しておいてください。

まずは、お子さまと答案を一緒に見て、どんなふうに取り組んだ、ここは難しかった、ここで時間がなくなった……といった話を聞きながら、よくがんばったとほめてあげましょう。そして、特に基本問題で落としたところがあれば、どうすれば正解できたかを一緒に考えてあげてください。不合格だったとしても、計算ミスや漢字の書き間違いがあったとか、焦っていて、いつもはめったにしない勘違いをした、といった原因がわかり、対策を立てることができれば、それ以上落ち込んだり、自分を責めたりする必要はなくなりますし、「次の試験は大丈夫!」という自信も付いてきます。



■合否への対処を通じて学べること

1月入試で合格すると、気持ちに勢いがついて元気が出る、というメリットがあります。その一方で、お子さまが合格したとしても、同じ学校を受けて不合格だったというお友達も、きっと周囲にいるはずです。逆に、自分は落ちたけれど友達は受かった、というケースもあるでしょう。
「不合格」というのはたとえ腕試しでもつらいものです。2月になると、多くの子どもたちが、試験の合否により、気持ちの激しい浮き沈みを体験することになります。1月入試が終わったら、ぜひお子さまに、周囲の友達の気持ちを考えるよう、注意を促してあげてください。不合格だった友達の気持ちを考えず、一人ではしゃいでいたりすると、相手を傷つけることにもなります。一方、自分が不合格で落ち込んでいる時、こちらの気持ちを気遣いながら変わらず接してくれる友達の存在は、本当にありがたいものです。自分や友達の合否をいかに受け止めるかは、自己肯定感をいかに保つかに関わってきます。どんな時も互いに励まし合える、そんな仲間ができれば素晴らしいですね。
1月入試の合否からも、学べることはたくさんあります。


プロフィール

森上展安

森上展安

森上教育研究所(昭和63年(1988年)に設立した民間の教育研究所)代表。中学受験の保護者向けに著名講師による講演会「わが子が伸びる親の『技』研究会」をほぼ毎週主催。

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