研究者からデザインを志す人へのメッセージ 「使い手を想像する優しさを」
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大学教育が変わろうとしている今、どのように大学や学部を選び、何を学べば将来に生かすことができるのだろうか。大学の研究室を訪ね、そのヒントを探るシリーズ。今回は環境色彩などが専門の筑波大学芸術専門学群・山本早里准教授の研究室に伺い、デザインを志す人にメッセージをいただいた。
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筑波大学芸術専門学群には、芸術学専攻、美術専攻、構成専攻、デザイン専攻があります。私の所属する構成専攻では、総合造形、クラフト、構成、ビジュアルデザインの専門領域を扱っています。私は2年生向けに環境色彩を学ぶ「色彩構成演習」という授業を担当しているので、環境色彩に興味のある学生が私の研究室に入室してくれています。
アートと違って、デザインには実際に制作物を使ってくれる相手がいます。特に私が手がける公共サインは、文化・言語・国籍の違い、老若男女といった差異を問わずに利用できるものが求められます。うわべの格好よさを求めるのではなく、本質的なデザインをするためには、基礎的な知識と使う人を想像できる心が必要。使い手を想像する優しさを持つためには、教養も求められるでしょう。
ですから、デザインを志す人には芸術以外にもさまざまなことに興味を持ち、知識や理解を深めてほしいと思います。特に環境色彩には、その国や街の文化、歴史が色濃く現れてきます。近年、調べたいことはスマートフォンで手軽に検索できますが、ネットで得られる情報には限りがあります。信頼できる出版社から発行された書籍を読む機会を増やしてほしいですね。
進路を考える際には、一時の成績の良し悪しで決めるのではなく、自分が興味を持っていることや、ずっと勉強したいと思っていることを参考に考えましょう。消去法のように進学先を決めてしまうと、途中で休学や退学をしてしまう可能性もあります。保護者のかたは、ぜひ子どもが好きな道に進めるよう応援していただきたいと思います。
出典:筑波大学 芸術専門学群 構成専攻 優れたデザインに必要なのは教養 -ベネッセ教育情報サイト
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