ちょっとした時間の使い方で差が付く 高校入試に向けて専門家が警鐘
大学受験を考えている高校1年生の勉強時間について考えると、高校受験を控えた中学3年生にも当てはまる部分がたくさんある、と安田教育研究所の安田理氏。さて、それはどのような点なのだろうか。詳しく伺った。
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大学入試センターが、中堅校と進学校の生徒の勉強時間を調べた結果の概略が以下です。
●中堅校の生徒は「指定校推薦」での進学を希望する割合が高く、進学校の生徒は「一般受験」での進学を希望する割合が高い
●「指定校推薦」希望の生徒は、テスト期間中の勉強時間が多くなる
●進学先希望が明確な生徒ほど、勉強時間が長い
●将来の仕事希望が明確な生徒ほど、勉強時間が長い
●進学校の生徒は、細切れ時間を活用することがうまい
●進学校の生徒ほど、部活・趣味と勉強の切り替えが上手
●中学時代にあまり勉強せずに、ある程度の高校に合格できたという成功体験がある生徒は、大学受験においても考えが甘い
たとえば、「推薦入試」で高校へ行こうと思っている生徒は、内申点を上げようとしています。そのため、上記で示した「指定校推薦」希望の生徒のように、テスト期間の勉強が中心になりがちです。しかし、これでは「学習の『基礎体力』が付かない」のです。中学校の学習範囲をひと通り復習する、苦手な教科・単元を克服する……といった原点に帰った本来の受験勉強をきちんとするように持っていってください。
進学校の生徒の「細切れ時間を活用することがうまい」ことや、「部活・趣味と勉強の切り替えが上手」なども参考になります。学校から帰ってから夕食までの時間、あるいは塾に出かけるまでの時間、夕食後からお風呂に入るまでの時間、朝出かけるまでのちょっとした時間……そうした半端に空いた時間にできることを、お子さまと一緒に考えてみてください。