高校選択の幅が多様化 「進路説明会」の資料を読み解くポイントを受験のプロが指南
中学3年生の1学期の終わり頃から始まる、「進路説明会」。一般的には、前年度の卒業生の進路状況や、学校選択に関する資料などが配布される。保護者はどのような点に留意したらよいのだろうか。安田教育研究所の安田理氏に伺った。
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私が学校評議委員をしている、港区立六本木中学校で配られた資料の中に、今年3月の卒業生が合格した高校・高専の一覧表がありました。卒業生33名のうち、国立大学附属が1校、公立高校が11校、私立高校が24校、高専が1校と実に多様でした。最も多い私立高校でも合格者は3名。ほとんどが各校1名です。
地方の場合は、主な進学先はほぼ決まっているというところが多いと思いますが、学区撤廃、交通の利便性の向上などで、学校選択の環境は保護者のかたの時代とは大きく変わっています。進路を決めるにあたっては、以下の2点を意識してください。
●地元の中学からも驚くほど広範囲の高校を受験するようになっている
●学校が受験先を決めるのではなく、ご家庭がどこにするか決めることが必要になっている
進路説明会では、お子さまの中学校からはどんな高校に合格しているのかを確認してください。今は、個人情報を守ることに神経が使われているので、それぞれの高校に進んだ生徒の、在学中の成績がどのようなものであったか、資料には掲載されていないのが普通です。目標にしている高校に合格した生徒の在学中の成績などは、会の終了後に、先生に個別に質問するとよいでしょう。
また、卒業生が合格している高校で知らない高校があったら、その場で先生に質問してみる、帰ってから「受験案内」を開いて確かめてみる、HPを見てみる……などして、受験校候補になるのかどうか、早めにチェックしてください。今後「合同相談会」でブースを訪ねる、「学校説明会」に参加する等のスケジュールに組み込む必要があるか検討しましょう。