机に向かうだけが勉強ではない!? 受験のプロが説く新しい「学力イメージ」とは
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「OECD生徒の学習到達度調査(PISA)」の2012年度の調査結果が公表され、「数学的リテラシー」「科学的リテラシー」「読解力」の3つの調査項目で、日本がいずれの順位も上昇したことが話題となった。実際にどのような問題で調査が進められたのか。安田教育研究所の安田理氏が解説する。
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PISAの問題は、学校のテストでよく出される問題とは異なります。知識を問うものは1問もなく、日常生活の中の「ある場面」が設定され、そこでの問題を解決するための「考え方」を答えさせます。
一例を挙げると、ロックバンド数組のCD売上枚数のグラフを提示し、そのグラフから何が読み取れるかを問う問題、点滴の滴下速度に関する問題や、回転ドアの構造に関する問題、マンションの間取り図を題材とした問題などが出題されています。すべてが日常生活の中のことに関連付けて出題されているのです。学校の勉強と日常生活は別物という考えではなく、普段から勉強と生活がいかに関連付けられているかが、大切なのです。
これからの高校入試問題、大学入試問題もそうした方向に進んでいくことが予想されます。子どもが自分の部屋で机に向かってテキストを開いているから安心、という学力のイメージだけでなく、保護者のかたが積極的に子どもにコミットして、問題解決型学力を伸ばしていくことを考えていただきたいと思います。
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