高校受験「募集人員のチェックを忘れずに」とプロが指南
公立高校入試も間近。受験生にとって、志望校の倍率の高さは気になるところだろう。倍率に影響する要素として「募集定員」の増減がある。平成26(2014)年は、多くの都道府県で中学卒業予定者が減少するため、募集定員も削減されるところが多い。「募集定員が削減されたからといって、必ずしも倍率があがるとはいえません」と話すのは、安田教育研究所の安田理氏。倍率と募集人員の関係について教えてもらった。
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この春、全国的に中学校の卒業予定者は減少しますが、地域によっては増加するところもあります。地域ごとの卒業予定者数に合わせ、高校の募集定員数も毎年細かく変更されています。東京都の例を見てみましょう。平成26年度入試で「募集人員」を増減する高校の志望者数を今度の「募集人員」で割った倍率の変化です。
平成26年は、進学指導重点校の戸山や国立をはじめ27校(表の薄い赤の地色の学校)で、各1学級増やし、昨年学級増を行った駒場や文京など9校(青い地色の学校)で、各1学級の募集を減らしています。
募集の学級増を行った学校は、受け皿が大きくなるため、表のように多くは倍率が前年より下がるのが普通ですが、戸山の女子のように上昇するケースもあります。学級増を上回る志望者数の増加があったためです。逆に、学級減を行う学校では倍率が上昇するのが普通ですが、駒場の男子や本所の男女のように下がった学校も見られます。
このように他校の影響などもあり、「募集人員」が減るから難しくなる、増えるから易しくなるとは一概にはいえないのですが、一般的にはお子さまの志望校が「募集人員」を増やしていれば易しくなる、減らしていれば難しくなるととらえていいでしょう。いま一度教育委員会のHPで志望校の定員が増減していないか、近隣の似たレベルの学校はどうか、確認してみてください。