覚えたはずの漢字をまちがえる! 小5男子の保護者の悩みに中学受験の専門家は……
パソコンやスマートフォンの普及で「最近、漢字がすぐに出てこなくなった」というかたも多いのではないだろうか。一度覚えても、使わなければ忘れてしまうのは子どもも大人も同じ。漢字をよくまちがえる、覚えたはずの漢字を忘れる、と悩む小5男子の母親の悩みに、平山教育研究所の小泉浩明氏がアドバイスしてくれた。
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【質問】
漢字をよくまちがえます。正確に覚えていないから書けないのかなと思うのですが、同じまちがいをします。短期間でくり返しやれば完璧なくらいにできますが、数か月とか1年とか、時間が経過するとまちがえたりします。(小5男子の母親)
【小泉氏からのアドバイス】
「短期間で繰り返しやれば、完璧なくらいにできる」ということですから、この時点では正確に覚えているといえます。ただ、完全に覚える前の段階ですから何もしなければ時が経つにつれて少しずつ覚えたものが消えていきます。どうすれば忘れないようになるかといえば、完全に覚えるまでくり返し覚え直すこと、覚えた漢字を日常的に使うことです。記憶を新たにするということが大切なのです。
漢字を忘れにくくするためには、覚える時に「五感」を使うことです。「目でも見る」「手で書く」「声に出して読む」ことで、文字どおり体で覚え込むのです。また、何らかの「理由付け」や「関連付け」をしながら覚えるのも有効です。たとえば、漢字の起源などを調べながら覚えていけば、かなり忘れにくくなります。
文を作ることで忘れることを防止する方法もあります。たとえば、「損」「雑」という漢字を覚えるとき、「勉強を雑にするとあとで損をする」などの単文を作ってみるのです。社会科で年号を覚えるときに、語呂合わせをして覚えたことはありませんか? 何かに関連づけるのが記憶のコツです。
それでも忘れるのが人間です。最後は、自分に合った方法でくり返し覚えていくしかないのです。