高校受験前の三者面談前に陥る「受かる学校探し」と、根拠のない「耳より情報」にご用心
11月末から12月初旬にかけて、高校受験を控えた中学3年生の三者面談を予定している学校も多いだろう。三者面談の席で、具体的な志望校の話になるが、そのときに気をつけたいこと、準備しておきたいことを安田教育研究所の安田理氏に聞いた。
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三者面談で先生が一番困るのは、その場で親子が言い合いとなることです。三者面談の前に各家庭で十分に話し合いをし、「公立高校は○○高校を、私立高校は△△高校を考えている」、「第一志望は○○高校」と親子で意見を一致させておきましょう。
現在では、昔の「輪切り」の進路指導の反省から、先生から具体的な校名をあげることはほとんどありません。よりスムーズで有意義な三者面談とするために、「模試ではこれまで○○高校については合格可能性60%、△△高校については80%」といった数字を書き出して持参するといいでしょう。できれば模試の成績表も持って行くようにしてください。
三者面談前の家庭での話し合いは、どうしても「受かる学校探し」になってしまいます。学校の教育の中身より、推薦入試の出願基準、一般入試の併願推薦の出願基準、そうしたものに1学期の成績(2学期制の場合は後期の中間試験までの成績)が達している学校を探そうとしがちですが、早く安心したい気持ちはグッと抑えましょう。子どもの性格、向き・不向き、適性等をよくつかんで、教育内容的に最もふさわしい学校を選び、そこに向けて最後まで勉強し続ける–そうして初めて実力が付き、入学後も学習面で上位にいられることにつながるのです。
これからの時期は、塾友やクラスの保護者から、動揺させられるような「耳寄り情報」、ネットでの不確かな情報等が入ってくる機会も多いと思います。そんな情報に振り回されず、ドンと腰を据えていてください。保護者があたふたせず、長い目で実力を付けることを優先させる姿勢を貫いていれば、子どもも落ち着いて勉強でき、実力も付くはずです。