中高一貫校受験、早熟タイプの子どもなら完全一貫型の学校が向いている!?
難関大学への進学率の高さから、人気を集めている中高一貫校。しかしひと口に中高一貫といっても、高校からの入学者のない完全中高一貫校と高校で生徒募集を行う中高併設型とでは、入学後のクラス編成が違う。ささいなことと思われるかもしれないが、実はクラス編成の違いが、子どもの伸びにも少なからず影響するかも知れない。森上教育研究所・所長の森上展安氏に伺った。
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学校によって、クラス編成には意図があります。受験指導に重点を置く場合は、完全中高一貫校は先取り学習などのカリキュラムを組むことができるメリットがあります。一方、高校からの生徒募集を行うことで、中学で入学した生徒と、高校から入学した生徒が刺激し合い切磋琢磨(せっさたくま)できるメリットがあります。しかし、中学で先取り学習をしていた場合は、高校からの入学者は3年間別クラス編成にするか、その他のクラス編成にすべきでしょう。
また、高1の時のみ別クラスとして高校から入学してきた生徒が中学から入学した生徒に学習面で追い付けるように調整し、高2・高3は混合クラスとして互いに刺激し合えるようにする中間的なクラス編成にし、両者のメリットを得られた事例もあります。
どんな生徒がどのタイプに向いているか、ということになりますが、率直にいって生徒自身はどのような状況にも順応します。
ただし、年齢と共に保護者の影響力は薄れる一方で、学校の生徒文化の影響力は強まっていきます。一貫度が高ければ学習はしやすいです。混合型では後発組(途中からの入学者)にキャッチアップの負荷がかかりますが、先発組にはよい刺激を与えます。
キャッチアップの負荷は、学習の動機付けになるものです。そういう意味では、早熟タイプには一貫型が主流を占める学校が望ましく、遅咲きタイプでは後発型が多勢を占める学校が望ましい、といえるでしょう。