9月からの受験生活 私立高校受験3つのパターン[高校受験]
■私立高校受験3つのパターン
今回は、私立高校の受験についてお話ししたいと思います。
2012年8月に、千葉県私立中学高等学校協会に依頼され、幕張メッセで行われたイベント「首都圏進学フェア」で高校受験生の保護者向けに講演しました。その時、高校受験についてたいへん詳しい保護者もいれば、高校受験の知識は自分の経験しかなく、最近の知識・情報はゼロに近いという保護者もいました。
そこで、今回は、千葉県特有のことは除いて、多くのかたに共通する私立高校入試のお話をしましょう。9月の段階でもこれくらいのことは知っておいていただきたいと思います。
私立高校の受験には、大きく分けて次の3つの受験の仕方があります。
●単願推薦
・その高校を第一志望とする人が対象
・合格した場合は必ずその高校に入学することになる。他の高校と併願することは認められない
・推薦基準(5教科で15、9教科で36など)は他の入試スタイルに比べ最も低く設定される
・万一不合格になった場合には、一般入試を受ける時に優遇措置のある学校が多い
●併願推薦
・公立や他の私立を第一志望とする人が対象
・合格発表後の入学手続きを、公立や他の私立の結果が出るまで待ってくれる(「延納」という制度)高校が多い
・そのため例年受験者はとても多くなる
・推薦基準は単願推薦より高く設定される
●一般入試
・おもに、試験当日の筆記試験の結果で合否が決まる入試スタイル
・この入試スタイルだけを採っている高校は難関校といわれるところだけで、多くの高校は3つとも行っているのが普通。中堅以下の高校は一般入試の受験者はごく少数であることが多い
・複数の試験日を設けている高校が多い
・都道府県によっては、一般入試であっても、12月の入試相談で合格の可能性が話し合われるところもある。そうしたところでは、純然たる一般入試は「オープン入試」と呼んだりしている
お子さまが文句なく学力が高ければ一般入試でOKなのですが、そうしたお子さまはそう多くはありません。実際には……
・第一志望の学校が単願受験を行っていて、そこの推薦基準をクリアできそうだから単願でそこを受験する
・第一志望は公立なので、私立は併願受験で受ける
・内申点が悪く、志望校の推薦基準には到達しそうにないから、一般入試に向けてがんばる
9月・10月のうちに、一度3学期制なら1学期の通知表、2学期制なら前期の通知表と、志望校の推薦基準(2014年度入試のものはまだ発表になっていないでしょうから前年度のものでOK)とを比較対照して、どの入試スタイルが可能か、話し合っておくことをおすすめします。