私立中学受験者数の減少は、難関志向者の増加につながる!? 専門家が分析!
少子化や不況のなか、少しずつ減少を続ける首都圏私立中学の受験者数。森上教育研究所主宰の森上展安氏が、受験者数の減少による中学受験傾向への影響を分析する。
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今年の首都圏私立中学入試は、受験者数前年対比96.0%、昨年よりも減少率は低くなりましたが、受験者数は減少しました。リーマンショックから今日に至るまで、中学入試では受験者数が減少し続けています。
このような受験者数の減少によって入試が易しくなり、志望校の選択範囲が広くなると、受験生・保護者の志向が受験者数の増減傾向として表れるはずです。
そこで、学校難易度(A〜Hランクまでの8段階。Aが最も難易度が高い学校)別受験者数前年対比の過去4年間の推移を見ると、昨年はF・Gランクが前年対比で10%以上の激減。今年は10%以上減少したところはありませんが、E・Gランクが9%程度減少しました。また、特殊な入試や受験者数が少ないなど、非エントリー校のFランクの減少率は、平均と同じくらいでした。
この結果は、受験生・保護者がより難易度の高い学校を求める志向を反映しているともいえるでしょう。