「人間力」で学力が伸びた！ ある私立女子中高一貫校の例
人間力の向上は、学力にどのような影響を及ぼすのだろうか。森上教育研究所所長の森上展安氏が、ある私立女子中高一貫校を例に、解説してくれた。
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神奈川県のある私立女子中高一貫校では、人間力を向上させることで、自分で問題を解決できる能力などを身に付け、社会で活躍できる人材を育てる教育を行っています。人間力を明確に定義したうえで行事を利用して育成し、志望大学の合格をめざした受験指導に融合させる教育を行っているのです。
この学校では、昨年度の大学合格実績が大幅に向上しました。また、現高校3年生の模試の結果もよく、2013年度はさらに高い実績が出そうです。人間力の育成が、学力面に少しずつ浸透してきた可能性が感じられます。
そこで、高2～高3の生徒を対象に調査し、人間力と学力の関係を分析したところ、以下のことがわかりました。
● 生活面（健康管理、立ち居振る舞い、身だしなみ、言葉遣いなど）は、高3の2012年4月まではどの要素も向上したという自己評価で、同時期には学力も同様に向上しています。
● 高3の4月～10月には、生活面では身だしなみ以外は生活面での自己評価が低いのですが、学力はこれまで以上の伸びとなりました。自分自身を見つめ、反省していることの表れと考えることもできるでしょう。実際に、これに続く時期に学力が上がったと感じている生徒も多いようです。
● 高2の10月に最も自己評価の低かった「行動力」は、高3になると他の要素に比べて急激に伸びました。行動力が学力の向上を左右する可能性も指摘できます。
