社会で役立つコミュニケーション能力を重視する、社会福祉学科での学び
大学や学部をどのように選び、何を学べば将来に生かせるのか。そのヒントを求めてさまざまな大学の研究室を訪ねるシリーズ。今回は、社会福祉士の育成と社会福祉制度問題の解決などに取り組む、淑徳大学の結城康博准教授の研究室を訪ね、大学で学んだことが社会でどう生かされるか、そのためには高校時代までに何をすべきか、を聞いた。
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高齢化社会を迎えた今、福祉という視点は、介護などの現場に限らず、多くの企業や団体で求められています。卒業生は社会福祉系の法人や団体、企業のみならず、金融・保険や製造業など多岐にわたります。これからますます増えてくる高齢者向けの商品やサービスの開発、職場における社会的な弱者の受け入れ……。社会福祉学科で学んだ学生が、多くの分野で活動することは、企業にも社会にも意味のあることだと思います。
福祉関係の企業は給料が安いといって敬遠する向きもあります。しかし、終身雇用の時代が終わりつつある今、どんな企業に就職したかではなく、どんな知識や技術を身に付けたかのほうが大切だと私は思います。
福祉の仕事にはコミュニケーション能力が求められます。しかし、最近はコミュニケーション能力が不足している学生が多いように感じられてなりません。企業もまた、学力よりもコミュニケーション能力を持った学生を求めていると感じます。あいさつや礼儀をきちんと身に付け、意思疎通を図りながら人間関係を築いていく力は、どんな仕事にも生かされるのです。コミュニケーション能力を重視する社会福祉学科での学びは、そういう点でもメリットがあります。
社会福祉学科に進もうという場合はもちろん、それ以外の進路をめざす場合も、高校生までのうちに、家族や友達との関係を通じて、コミュニケーション能力を育てておきましょう。
出典:淑徳大学 総合福祉学部 社会福祉学科 終身雇用の時代が終わりつつある今、人生を長い目で見れば、どんな企業に就職したかより、どんな知識や技術を身に付けたかが大切 -ベネッセ教育情報サイト