「男女別学」「付属校」は心理的に敬遠される!? 私立高校選びの視点を専門家が語る
高校受験の志望者数データを熟知する安田教育研究所の安田理氏によれば、「高校単独校」「共学校」「進学校」を受験校として志望するのが、最近の一般的傾向だという。逆に「中学校併設」「男女別学」「付属校」は心理的に敬遠されるようだ。安田氏にその理由と見方を伺った。
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■中学校併設
受験生の心理としては、「後から入って、人間関係になじめるか心配」「先行学習についていけるか不安」「内部進学生を大切にするのでは?」「募集定員が少ないので受けにくい」といった懸念があるようです。
中学校を併設する高校の先生に話を聞くと、人間関係や学習面など、進学してからの心配は杞憂に過ぎないとのこと。「募集定員が少ないので受けにくい」は確かにそうかもしれません。しかし、我が子にとってその学校が望ましいならば、安全校を確保したうえで挑戦してはいかがでしょうか。
■男女別学
公立はほとんどが共学校です。公立を第1志望とする受験生が併願校を探すと、その流れで共学校に目が向くため、高校受験では共学校志向が強く出ます。
しかし男女別学校は歴史の古い学校が多く、長い歴史の中で培(つちか)われたどっしりした精神的風土、代々受け継がれてきた独特な行事の数々、優れた先輩などの無形の財産があるものです。長い人生の中で3年間を男子だけ、女子だけで過ごすことは、なかなか経験できない貴重な時間です。
■付属校
今、進学校の多くは大学受験を意識し、受験科目に応じたコース別のカリキュラムを組んでいます。一方、付属校はすべての科目をオールラウンドに学びます。つまり、将来社会に出てから伸びる本質的な勉強ができる環境なのです。これは学際的な勉強にも向いていますし、将来どのような進路を選んでも対応しやすいことにつながります。大学受験科目に左右されない大きなメリットです。
敬遠される学校を考える際には、こうした視点もあることを頭に入れて、受験校を選ぶとよいでしょう。