「学校選び」もう一つの視点 中高一貫校を敬遠する必要はない[高校受験]

■子どもをよく観察し新たな視点で学校を選ぶ

学校選びで大切なのは「名称ではなく中身」です。そこで今回は、学校選びに必要な選択肢の広げ方についてお伝えします。



■学校選び 3つの大きな傾向

高校受験における学校選びを見ていると、大きな傾向として下記の3つが挙げられます。


●共学校が人気
●定員の少ないところは受けない 
●併設中学のあるところは敬遠


大多数の受験生はこの傾向どおりの学校選びをしているように見受けられます。でもそれ以外の学校を視野に入れないことはもったいないと思うのです。選択肢を広げるためにもこの傾向の逆について、学校選びの視点を提供してみようと思います。
その前に、東京都の代表的な模擬試験での志望者数の表を掲載します。ここでは東京都の多摩地区の例を取り上げます。

*東京都の多摩地区には男子校は2校しかありません。
*白梅学園には白梅清修という中高一貫部がありますが、高入生は入りません。
〇は併設中学がない高校単独校。△は併設中学があっても生徒の大多数は高入生の学校。



■共学校が人気

上記の表の志願者数を見てもわかるように、高校受験ではどの都道府県でも中3生に「進路希望調査」をすると、70%~80%が公立高校希望と答えます。公立高校の多くは共学ですから、第二志望の私立高校も共学を選ぶということが自然な流れです。
上の表を見ていただくと、共学校は志望者数のケタが、男子校・女子校とはヒトケタ違うことがわかるでしょう。これほど共学志向になっているのが現状です。
ところが、生徒を見ていると、明らかにこの子は男子校、女子校のほうがのびのび育ちそうだ、男子だけ女子だけの環境のほうが自分ならではの才能を伸ばせそうだ、リーダーシップが育ちそうだ……と感じる子がいます。
ですから、お子さまを観察していて、異性がいないほうがより成長しそうだと感じられるなら、別学校も選択肢に入れられてはどうでしょう。



■定員の少ないところは受けない

次に、併設中学がない高校単独校(○印)と、併設中学があるが生徒の大多数は高入生の学校(△印)が多いことに気付くでしょう。女子校は大半が、共学校も上位6校すべてが併設中学がない高校単独校か併設中学があるが生徒の大多数は高入生の学校です。高校受験は、難関私立高校を数校受ける受験生を除けば、公立高校1校、私立高校1校受験することが一般的なので、1校となると合格の可能性を考えて募集定員の多いところを受けることになるのです。
が、このことは、募集定員の少ないところは受験生も少ないということでもあります。実際の倍率を見ても、募集定員が少ないからといって倍率は高くなっていません。案外、募集定員の少ないところは逆にねらい目になると思ってください。



■併設中学のあるところは内進生が大切にされそう?

併設中学のあるところは、学校が内進生(併設中学から上がってきた生徒)を大切にしているのではないか、だから併設中学のない高校を選ぶという受験生がいます。これは、中学の段階で、学習内容を先取りしているのではないか、という心配からきています。全員が同じスタートラインから始まる高校単独校のほうが安心というわけです。
たしかに中高一貫校の場合は公立中学より授業時間数が多いことから、英語・数学を中心に先取りしているケースがほとんどです。ですが、こうした時は混合クラスにしないで、高2まで別クラスにすることが普通です。ですから授業についていけない、落ちこぼれるのではと、心配する必要はありません。高入生は高入生できちんとしたカリキュラムがつくられています。
むしろ、これから異なる文化・背景を持ったいろいろな人と付き合わなければならない時代になるのですから、授業は別だとしても、そのファーストステップとしても私立中学の生活を経験してきた内進生と、部活・行事等で交流することはいいことだと思います。いい刺激を得られるという点からも、併設中学のあるという理由で受験候補から外すことは損だと思います。これらを含め検討することをおすすめします。


プロフィール

安田理

安田理

大手出版社で雑誌の編集長を務めた後、受験情報誌・教育書籍の企画・編集にあたる。教育情報プロジェクトを主宰、幅広く教育に関する調査・分析を行う。2002年、安田教育研究所を設立。講演・執筆・情報発信、セミナーの開催、コンサルティングなど幅広く活躍中。
安田教育研究所(http://www.yasudaken.com/)

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