大学は就活予備校ではない 専門家が「大学生に求められる力」を読み解く
センター試験の本試験直前だが、大学や社会から大学生に求められることとはどのようなことだろうか? 大学改革に詳しい、ベネッセ教育研究開発センター・高等教育研究所・大学進学アナリストの村山和生氏が解説する。
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大学にも社会にも、求められているのは「主体性」のある人材
文科省の大学改革実行プランでは、「社会にとって有用な人材を育成する」という大学の役割も提言されています。では、有用な人材とは具体的に何か? 大学改革実行プランの中でたびたび出てくるのが「主体的に学び・考え・行動する」という表現です。大学で学ぶ人に求められるキーワードは「主体性」なのです。
実際に、さまざまな大学の先生方に話を伺っても、学生の主体性を求める声は多く挙がっています。大学から与えられるのを待つのではなく、自分がこの大学を使い倒してやる、くらいの意識を持ち、自ら先生にアプローチするなど、積極的に学ぶ意欲が求められているのです。またそれは、文科省や大学がいうまでもなく、現実に今、実社会で必要とされている力でもあります。
大学は決して就活予備校ではありませんが、大学での学びを実社会でどう活かしていくのか、社会で活躍するために自分はどう学ぶのか、という意識が学生側にも問われる方向へ、今後は変わっていくと思います。ですから大学選びの時にも、大学が何をしてくれるのかではなく、自分が何を学び取るのかということをしっかりと考えてみてください。そうすれば、大学に入学してから「こんなはずではなかった」などと、後悔することがなくなるのではないでしょうか?