保護者の36%が「子どもが苦労しても成長させてくれる」学校が我が子に合っていると判断
難易度だけで志望校を選ばず、「我が子に合った学校」に行かせたいという保護者が増加している。受験者数の減少で間口が広くなり、選択の幅が広がったのも要因の一つだろう。では「我が子に合った学校」とは何か? 保護者の価値観で定義が異なるのではないか? 森上教育研究所が行った、中学に入学した生徒の保護者へのアンケート結果を、森上展安氏が解説する。
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保護者が入学前に思った「我が子に合った学校」について、選択肢から選んでもらった結果をみると、「我が子が苦労しても学力・資質の強みを伸ばし、弱みを改善してくれる学校」が最も多く、24%を占める。しかし他の選択肢に比べてもやや多い程度だ。「我が子に合った学校」は保護者の価値観で異なっているといえる。
保護者の36%が「我が子が苦労しても」子どもを成長させてくれる学校こそ、我が子に合っていると考える。一方「我が子が無理せずに済む」のは、学校が我が子に合っているからであると考える保護者が29%と続くのも興味深い。さらに「苦労しても」では、性格よりも能力を身に付けさせたい保護者が多い。能力の中でも学力を伸ばし、少しでもレベルの高い大学に進学させたいというのが保護者の願いであろう。
「我が子に合った学校」の定義は保護者により異なる。偏差値重視から変化しつつある志望校の選択だが、結果として、我が子の「学力を伸ばしてくれる学校」を保護者は探しているようだ。