難関女子中の国語入試問題「こと問題」と「長文記述」対策が重要
2012年度の首都圏上位校における国語の入試問題について、平山入試研究所の小泉浩明氏が解説する。
※以下は、2012年4月に開催された森上教育研究所主催「わが子が伸びる親の『技』研究会」セミナーでの小泉氏の講演を抄録したものです。
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【フェリス女学院中・2012年度入試問題 国語】
2012年度のフェリス女学院中は、文学的文章1題、説明的文章1題、文法問題1題、漢字8問の出題でした。フェリス女学院中は近年大きな変化があり、2009年度は物語文で記述の「気持ち問題」があったのですが、2011年度は、物語文の記述問題は180字の感想文のみで、あとは選択肢問題だけでした。
そして2012年度は、物語文の記述問題は三つとも「○○とはどういうことか」を問う「こと問題」であり、「気持ち問題」は選択肢問題で問う形でした。通常、物語文は物語文の本質を問うという意味で「気持ち問題」や「なぜ問題」が多いのですが、2012年のフェリス女学院中は記述でそうした出題はしませんでした。そうするとやはり難易度は下がります。8割ぐらいは正解したいところです。ミスは許されません。
一方、説明的文章のほうでは「『スピード社会』についてのあなたの考えを良い点と悪い点の両方を挙 げながら、百六十字以上、百八十字以内で書きなさい」という出題がありました。これは配点も高かったと思われますので、差がついたのではないでしょうか。
フェリス女学院中への対策としては、平均点が高い学校ですので、ケアレスミスを最小限にし、選択肢などは確実に得点を重ねていくことです。また、選択肢、抜き出し、知識問題を手早く処理し、記述問題で完成度の高い答案をつくること、「こと問題」の記述を重点的に練習しておくことと、「考える」長文記述問題への対策も必要です。2012年度は、より理性に傾いた傾向が見えましたので、論理的思考力の強化が大切です。
出典:2012年度入試問題を振り返る<国語> 学校別分析 【雙葉中、フェリス女学院中】[中学受験] -ベネッセ教育情報サイト