こじんまりした対策は不要と、専門家が模試受験指南
受験勉強を進めてきた子どもにとって、秋以降の模擬試験は重要だ。学力の進捗を測るため、また志望校を絞るためにも、模試は受けておきたい。このタイミングの模試で気をつけるべきポイントを、安田教育研究所の安田理氏に聞いた。
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●難易度の低い学校も書いてみる
模試では、志望校欄に学校名を書くことで、各校の合格の可能性を出してくれます。これは勉強を進めるうえでひとつの手がかりになります。通常6校ほど校名を書けますが、そのうち1校は思いきって難易度の低い学校を書くといいでしょう。今の段階で「合格可能性80%」と出れば、それがどこであれ、子どもはうれしくなって前向きな気持ちになるものです。
●目先の模試のための勉強はしない
これからの時期に保護者が陥りがちなのが「次の模試でいい結果を出すための勉強」をさせてしまうこと。これは模試の偏差値によって、出願できる私立高校を左右する場合があるからです。
しかし、目先の模試のためのこじんまりした対策(各教科ザッとひと通り目を通す、できなかった問題の解答・解説に目を通すなど)では、学力の骨格をなすような骨太な実力(自分のアタマで考える、長文の記述をこなすなど)は身に付きません。
オリンピックの競技を見てもわかるとおり、選手やチームにとって大切なのは、決勝当日や強敵との試合当日にピークを持ってくこと。受験も同様であると安田氏は語る。
長期プランのもとで着実に学力を伸ばすことを考えること、子どもに自信を与えること、本命校の試験当日にピークが来るように配慮をすること。–保護者はこの3点を念頭に置いて、この秋以降の模試に臨んでほしい。