中学受験 小5から意識しておくべき傾向と対策とは? 専門家がアドバイス

来たるべき中学受験に向けて、子どもと保護者が取り組んでおくべきこととは? そこで、小学5年生を対象に、今年度の入試で参考にすべきポイントを、中学受験のプロ、森上教育研究所の森上展安氏がアドバイスする。

 


中学受験 小5から意識しておくべき傾向と対策とは? 専門家がアドバイス

 

入試報告会では、代表的な学校の受験問題用紙・解答用紙に触れられる場合もあります。問題集などで、志望校の入試問題を見たことがあるかたも多いと思いますが、解答欄の空白の大きさや問題用紙の量などが実感として迫ってきますので、この機会に実物に触れておくとよいでしょう。

 

また、受験本番ムードを高めるためにも、志望校の最終決定のためにも、2015年度の大まかな入試傾向は注意して聞いておきましょう。

 

今回の受験生の学年から、大学入試が変わります。その影響もあり、今後は記述問題が増えていくと考えられます。特に女子校の難関校で記述が多くなる傾向にあるようです。記述する力は、1年間で十分に付いてきますので、今できなくても慌てる必要はありません。しかし、記述力を養うことを意識するとしないとでは、まったく違います。

 

教科別でいえば、ここ数年、国語は変化が大きくなっています。夏目漱石、芥川龍之介といった名作からの出題は減っており、子どもにとっても親しみやすい、現代作家の作品からの出題が増えています。少し前は『ナイフ』『流星ワゴン』などの作者重松清さん、最近は『カラフル』などの作者森絵都さんが多かったですね。また、「家族の愛情」「思春期の異性への心情」など、共通するテーマを持った文章を出題する学校もあります。国語の傾向を聞いておくと、今後の読書指導にも役立ちます。算数にも、出題の仕方にトレンドがありますし、理科・社会では時事問題や環境問題が出題されることがほとんどです。

 

ただし入試問題に触れても、今の段階ではまだ習っていないことも3分の1以上ありますし、分量も多いので、よくできる子でも歯が立たないケースがほとんどだと思います。お子さまがショックを受けてしまわないよう、「今はできなくて当たり前」だということをくり返し伝えてあげてください。たとえば算数の場合、計算問題と基礎的な文章問題など、「5年生でもできるはずの問題」を塾の先生などに聞いて、取り組んでみるとよいですね。

 

出典:2015年度入試に学ぶ[中学受験 5年生] -ベネッセ教育情報サイト

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