夏休みの学習と伸び悩み解消法[中学受験]

夏休みは、伸び悩んで壁に突き当たった時の解消法を子どもが習得する好機だ。夏休みが始まったばかりのころは誰もがやる気で、不調に陥ることもないだろう。しかし、中盤に差し掛かるころには、夏の暑さや長時間の学習生活のせいもあって思ったように学習計画が進まなくなり、不調に陥る生徒が出やすくなる。そこでその解消法を身につけておくことも大事だ。今後の中学受験でも秋口に不調に陥ることは多いだろうが、今回の体験を活かすことができれば入試直前期に不調になっても慌てることはない。

また、入試直前期に限らず、将来、大学受験や仕事で問題に陥った時、自分の力で不調を解決する自信につながる。自信がつけば、問題に立ち向かう勇気も沸くので、問題を避けることなく取り組むことができるようになる。不調解消には不調になる原因を考える。

夏休みは、食事や睡眠が不規則になったり、学習計画にこだわりすぎて夜遅くまで勉強したりすることになって、生活のリズムを崩して不調に陥ることが多くなる。毎日コンスタントな生活にすることが対策となる。コンスタントに学習することで、学習習慣が作られるので質の高い学習を継続することができるメリットもある。
しかし、毎日同じことを繰り返して学習に嫌気がさすと、不調の原因となることもある。このような場合の解消法として、学習計画を状況に合わせて変更する必要がある。目標や実施内容・方法を変えることで無理なく目的を達成できるように学習計画を見直すのである。学習時間が長すぎれば短くして、その分、効率的な実施内容・方法を考える。息抜きが必要ならば、効果的な方法で効率の良い実施内容・方法を考えるべきだろう。また、案外見過ごされやすいのが学習空間の空気の汚れだ。適度に外気を入れ、また緑陰で深呼吸などを心がけたい。

具体的な解消法の手順は、現状分析で原因を見つける、原因が見つかれば、その原因を排除するか改善するための方法を考えて実行してみる。効果がある対策であれば継続し、効果がなければほかの対策を考え、実行する。不調を解消できるまでそれを繰り返す。また、小さな成功体験を積み重ねることが自信につながる。不調を恐れていたのでは、困難に立ち向かうことはできない。将来の大学受験や社会に出てからの仕事では、不調に陥っても早く抜け出す解消法がわかっていれば不調に陥ることが怖くなくなる。


プロフィール


森上展安

森上教育研究所(昭和63年(1988年)に設立した民間の教育研究所)代表。中学受験の保護者向けに著名講師による講演会「わが子が伸びる親の『技』研究会」をほぼ毎週主催。

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