中学入試問題は「この問題が楽しめる子がほしい」とのメッセージ
中学受験の入試問題は単なる学力テストではなく、学校からのメッセージが込められているという。そのメッセージとは一体どんなものなのだろうか。宮本算数教室の宮本哲也氏は、2012年4月に開催された森上教育研究所主催「わが子が伸びる親の『技』研究会」セミナーで、こんな話をした。
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入試問題は、その学校の適性試験でもあります。ですから、学校からのメッセージが込められています。それを、ぜひ感じとっていただきたいと思います。簡単に言ってしまうと「こういう問題が解けるお子さまがほしい」ということなのですが、そのひとつ前の段階として「こういう問題が楽しめるお子さまがほしい」「そういうお子さまと接したい」「そういうお子さまを相手に授業をしたい」ということなのです。
適性というのは6年生の2月に決まるわけではありません。入試問題には低学年のお子さまでも取り組める問題があります。たとえ答えが出なくても、そういう問題に10時間取り組めるお子さまであれば適性があるといえます。その学校に迎え入れられる資格があるということです。逆に6年生で偏差値が70あっても、「こんな問題見たことないからできるわけない」「ヒントちょうだい」と思ってしまうお子さまには適性がありません。
それでは、そういうお子さまの適性は変わることがあるのでしょうか? あるとすれば、それは保護者のかたが引くことです。保護者のかたが一歩引くことで、お子さま自身が積極的になり、自分で物事を考え、適性が変わることはありえます。
生まれつき勉強が嫌いなお子さま、算数が苦手なお子さまというのは存在しません。保護者のかたが余計なことをして勉強嫌いにさせてしまうのです。お子さまを勉強嫌いにさせないでください。できる限り保護者のかたは何もしないことです。