学力や入試の本質を知ることが大事[2012年度入試で何が問われたか<算数> お子さま主導型で成長を実感できる算数 第2回]
以下は、2012年4月に開催された森上教育研究所主催「わが子が伸びる親の『技』研究会」セミナーでの宮本算数教室・宮本哲也先生の講演を抄録したものです。
ご家庭での算数の勉強に、ぜひお役立てください。
学力や入試の本質を知ることが大事
●学力と得点力はまったく別物である
入試というものを考えると、どうしてもいかにして合格点をとるかということに意識が向いてしまいますが、それは6年生の入試当日にできればいいことなのです。6年生の9月までは学力を身に付ける学習をするべきです。この場合の「学力」は、「生命力」と言い換えることができます。その「生命力」を磨くための学習をすることが正しい学習です。
自分の意思で、自発的に取り組み、解けなければ泣いて悔しがる。教えてあげようかと言っても、自分で考えるからとはねのけるのが正しい学習姿勢です。大事なのは成績ではなく学力です。大手塾に入れるのは、できる限り遅いほうが望ましいのです。
●模擬試験と実際の入学試験はまったく別物である。
塾などで行われる模擬試験は、さまざまな学校を念頭において作成されますので、いろいろな種類の問題がまんべんなく盛り込まれており、多量速解型です。
一方、実際の入試はその学校についての適性試験ともいえるものですから、その学校からのメッセージが込められており、少量熟考型の学校も多数あります。見たこともない問題を、自力で整理して考えてほぐして解く。ですから模擬試験の順位、偏差値、合格の可能性などで入試の合否を占うことはできません。ただ6年生の後半で受ける学校別模試だけはその学校の形式に沿っていますので、一般の模擬試験とは違います。
小学校低学年のお子さまに多量速解型の模試を受けさせて、5年後6年後の入試結果を占うということが、いかに無意味なことか、おわかりになると思います。