両親の役割分担はどうするか? 試験当日まで、どう過ごす?[高校受験]

■願書は学校との正式な出会い

願書はお父さんが書くにしてもお母さんが書くにしても、いきなり書きだすと必ず失敗します。まずすべての願書をコピーしましょう。そのうえで1校ずつ必ず説明を読んでからコピーに下書きします。志望理由など文章で書く欄がある時は、内容をどうするか本人を交えてご両親が相談してください。面接がある学校では、願書をもとに質問されますので、本人を抜きにして勝手に書かないことです。まずは本人に考えさせましょう。
どのくらいの大きさで書くと納まりがいいか、下書きの段階で見当を付けます。また文章はお父さんが書いたのであればお母さんが確認します。主述関係は大丈夫か、誤字・脱字はないか、チェックするのです。
これまで何度も学校説明会で訪れているかもしれませんが、出願して初めて正式に学校との関係が生まれるわけです。その最初のあいさつである願書は、心を込めて書きたいものです。
 学校によって、生年月日を平成で書いたり、西暦で書いたりと、いろいろな点で書式が異なっています。必ず1校ごとに記入上の注意をよく読んでから書いてください。



■お父さんの協力が得られるか、得られないか

お父さんも試験期間中に協力できるということであれば、今のうちに受験予定校の出願から試験当日、合格発表、入学手続きといったスケジュールを大きな紙に書いてリビングに貼り出し、お互いの有給休暇取得が可能な日、不可能な日などを書き出して、どの時点でどのような役割分担にするか、決めておくといいでしょう。
前回もお話しましたように、受験に失敗は許されません。「なんとかなるさ」式のその日その日の場当たり的な対応では危険すぎます。各日にそれぞれがどう行動するのか、前もって決めておいたほうが安全です。
お父さんが単身赴任している、この時期仕事がものすごく忙しくて協力してもらえない……と、協力してもらえないケースも多いかと思います。
お母さんにかかるプレッシャーはその分大きいと思いますが、一つひとつ着実にこなしてください。子どもも受験生だからと甘やかすことなく、日常生活の手伝いはこれまでどおりきちんとやらせたほうがいいと思います。



■お母さんもお仕事をお持ちの場合

お母さんもお仕事をお持ちの場合は、勤務先に早めに事情を話して、休暇・遅刻・早退の了解をとっておくようにします。
お母さん一人が責任を負って、受験に一生懸命になると、あふれる情報に振り回されたり、ネットの掲示板やクチコミのうわさに惑わされて、受験の本筋以外の部分で右往左往し、子どもも浮き足立ってしまうケースをしばしば目にします。そうならないためには、お子さまを受験させたことがある先輩保護者の友人をつくっておくといいでしょう。それが無理なら学生時代の友人など、相談できる、グチをこぼせる相手をつくっておきたいものです。
 専業主婦であっても働いていても、悩み・不安は外で吐き出し、本人の前では明るい気持ちで受験に向かうことが成功する秘訣(ひけつ)です。


プロフィール


安田理

大手出版社で雑誌の編集長を務めた後、受験情報誌・教育書籍の企画・編集にあたる。教育情報プロジェクトを主宰、幅広く教育に関する調査・分析を行う。2002年、安田教育研究所を設立。講演・執筆・情報発信、セミナーの開催、コンサルティングなど幅広く活躍中。
安田教育研究所(http://www.yasudaken.com/)

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