埼玉県立伊奈学園中学校・総合高等学校の進路指導の秘密に迫る!<前編>

公立中高一貫校はまだ開校してからの年数が浅い学校が多く、具体的な大学進学実績が出ていない学校がほとんどです。そんななか、首都圏で最初の公立中高一貫校である埼玉県立伊奈学園中学校の第1期生が、今年、大学受験に挑みました。
その結果は、多くの生徒が第一志望の大学に合格を果たすというすばらしいものとなりました。さらに、生徒の約9割もが「進学結果に対し満足している」というアンケート結果も!
そこで、編集室ではさっそく取材を実施。試行錯誤をくり返しながらも大きな実績を上げるに至った同校の、特色ある取り組みや進路指導の秘密を伺ってきました。
レポートは前編・後編の2回に分けてお伝えしていきます。


<前編>特色あるキャリア教育と進路指導
生徒一人ひとりの希望進路実現をめざした進路指導で、満足度の高い大学進学実績を獲得!

学びたい学部・学科からの大学選び

伊奈学園中学校は2003年に首都圏で初めての公立中高一貫校として設置された学校で、設置母体校は埼玉県立伊奈学園総合高等学校です。そして2009年、同校で中高一貫第1期生(内進生)たちが初めての大学受験に臨みました。その結果は、生徒個々人の希望進路を実現させるという同校の教育理念をまさに具現化したものとなったそうです。
「今回の進学結果は全体として満足度の高いものになったという自負があります」とおっしゃるのは、高等学校で第1期生の担任を務め、進路指導にも尽力された佐藤康成先生です。
「私たちがめざしたのは、『生徒一人ひとりが希望する将来に直結した大学に進学させること』です。そのために、生徒には『大学名』ではなく、『何を学びたいのか』『将来何になりたいのか』を視野に入れ、学びたい学問、学部から大学を選ぶように指導しました。そして第一志望の大学に最後まであきらめずにチャレンジするよう、徹底的に指導しました」
そこにあったのは「生徒の進路志望を実現させたい」という先生がたの強い思い。そのためには、「あきらめるな!」「妥協するな!」という指導をねばり強く続けてきたそうです。



高い進学満足度を実現

その結果、生徒の多くが自らの志望する大学に合格を果たし、大学・短大現役進学率も76.3%と高い実績を残しました。そしてなによりすばらしいのは、生徒たちがその進路結果にとても満足しているということです。同校が行ったアンケートで、生徒、保護者共に「進路結果に満足している・まあ満足している」が合わせて約9割にのぼったという結果も出ています。
これは、同校の先生がたが生徒たちと真摯(しんし)に向き合い、彼らの将来や進学志望をできる限り実現するために創意工夫を重ね、尽力したからこそ、また生徒たちがその思いに応え努力したからこその結果といえます。


プロフィール



「進研ゼミ小学講座」は2020年新課程に対応して、リニューアル。基礎から応用までの学力向上はもちろん、自ら学ぶ姿勢を身につける。
学んだ知識を使って、自分なりの答えを導き出す。そんな体験を繰り返すことで、「自ら考え表現する力」を育んでいきます。

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