受験生との親子バトルを乗り切るには 親子関係、うまくいっていますか?[高校受験]
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受験対策が本格化する前に整えておきたい「親子関係」について考えます。
最近の受験を取り巻く環境で、以前より多くなってきたと感じることは、親子間のバトルです。これをどう乗り切るかが、受験がうまくいくか、望ましくない結果になるかを分けます。まだ気持ちにゆとりのある今が、我が家のことを冷静に見つめるチャンスです。
■受験に熱心な父親の増加が、親子バトルに拍車をかけている?
今、社会生活のさまざまな場面で急速に格差が拡大しています。以前の我が国は分厚い中流層の存在が特徴でしたが、ここへきてその中流層の存在が細くなる兆候が見られます。若年層についても、「フリーター」や「ニート」になる若者が増えていることが統計的にも明らかで、働いても十分な生活ができない「ワーキングプア」の存在も指摘されています。 保護者のかたの世代ですと、働く意志さえあれば、ほとんどの人が正社員として働けました。それが今では、働いている人の3分の1が非正規雇用となっています。我が子は自分たちよりずっと厳しい時代を生きていかなければならない、保護者の多くが何となくそのような思いを抱いているのではないでしょうか。だからこそ、「親としてやれることは何でもやってやりたい」-- そう考えているのではないでしょうか。
私は、学校の教育講演会や塾の保護者対象講演会などに呼ばれることがあるのですが、5年ほど前までは出席者のほとんどが受験生の母親でした。ところが、このところ父親の姿が実に多くなっています。それというのも、上記のような状況なので、我が子の将来が心配で仕方ない、ということなのでしょう。このような父親の心配が、また親子バトルに拍車をかけているのかもしれません。
■子どもはなかなか「受験生」にならない
一方、中学3年生の夏になっても、受験生としての自覚がない子どもが増えているのも現実です。以前の受験生は、夏休み後半ともなれば、そうそう遊んでばかりはいられないのだという、ある種の「自覚」があったように思います。
ですが、今どきは、「部屋に入っても、ゲームをしたりしていて、なかなか勉強に手がつかない。それでつい『勉強しなさい、早くしなさい』と声を荒げ、『うざいんだよ~』と反発され、けんかになってしまう。揚げ句の果てに『勉強する気がなくなった』とすねられてしまう」という話をよく聞きます。親子で、こうした最悪の精神状態になるケースが実に多いのです。
子どもに受験生としての自覚がない一番の原因は、受験生活をスタートする前に、受験について親子でしっかり話し合っておかなかったことにあります。高校受験は皆がするものだから、つい何となく始まってしまい、きちんとした自覚を持つきっかけが生まれにくいのです。
こうならないために、今からでもいいので、自覚を持たせることをまずやってください。といっても、いきなり、「お母さんは、○○高校に行ってほしいな」では、子どもは反発します。まず、将来どのように生きていくのか、それにはどのような勉強が必要なのか、そして、目標に向かうために、大学に進むのならどのような学校がいいのか、そこにはどの高校からなら入れそうなのか……とさかのぼって一緒に考えることです。そうしたことを考えることで、お子さまは勉強する意味に気付くはずです。
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