成長を長い目でとらえた受験対策を 親子関係、うまくいっていますか?[高校受験]
長年、保護者のかたと接していると、子どもだけでなく保護者も変化していることに気付きます。その一つが、「長い目で見られない」保護者が増えているということ。子どもの成長スピードは十人十色ですし、焦っていいことはありません。
■遊んでいる姿を許せない時にやりがちなこと
8月中旬は、どこも夏期講習もなく、お子さまは家にいることが多いと思います。お子さまにとっては、この時期は気分転換してリフレッシュしたい時期。ところが受験学年だったりすると、「夏が天王山」といわれているものですから、保護者のかたは、我が子がTVゲームに興じたり、マンガを読んで笑い転げていたりすると、「冗談じゃない」「自覚が足りない」とイライラ。何度もこうしたことが繰り返され、頭に血が上ると、つい「もうあなたのことなんか知らない」と、本心でないことを口に出したり、「これまであなたの教育費に、いったいいくら使ったと思っているの」など、子どもに関係のないことまで思わず口走ってしまったり……。頭を冷やせば、「しまった」ということばかりです。
■子どもにとって、どうするのがよいのか、考えてから行動する
結論を先に言ってしまうと、一時の判断ですぐ行動するのは得策でないということです。
得てして人は、自分で「自分の感情を制御するための」行動を取りがちです。自分自身に関することなら、それもいいでしょう。
しかし、受験はお子さまが主人公。お子さまにとってはどうするのがいいのか、それも長い目で見て今どうするのがいいのか、という点から判断してください。
怒りが頭に上ってきたら、いったん外に出て深呼吸することです。
次に、保護者のかたに注意していただきたいのは、何から何まで保護者が準備するのはやめていただきたいということ。教材も、公開模試をいつどこのものを受けるかも、保護者のかたが決めていませんか? 受験校も、保護者がラインナップを考えていませんか?
お子さまは、ほとんどが言われたとおり素直に行動すると思います。ですが、少しでも自分でどうするか考え、判断する余地を残しておかないと、大人になる機会を奪ってしまうことになります。話が少し飛びますが、就職も、結婚も、親の判断を仰ぐ若者が多くなっているのは、子どもの時に自分で判断する機会を持たなかったことも一因にあるのです。
受験は、単に合格・不合格の問題ではなく、受験に臨む各ご家庭の姿勢が、その後のお子さまの生き方に影響するものなのです。ぜひ長い目で見て、お子さまが成長する受験の形を取るようにしてください。