「なんで?」と言われても、「間違っているから違う」としか言えません[中学受験]

平山入試研究所の小泉浩明さんが、中学受験・志望校合格を目指す親子にアドバイスする実践的なコーナーです。保護者のかたから寄せられた疑問に小泉さんが回答します。




質問者

小1女子(性格:大ざっぱ)のお母さま


質問

まだ1年生のため、親から見れば問題が簡単で、どう教えてよいかわかりません。「ここ違うんじゃない?」と言うと「え? なんで!?」と言われます。「なんで?」と言われても、「間違っているから違う」としか言えません。教えようとすると、結局答えを教えるような感じになってしまいます。どうしたらよいでしょう。


小泉先生のアドバイス

「具体的な形」から、少しずつステップを上げて抽象的な「数の世界」に戻る

たとえば、お子さまが「7+5=」という計算をする時、間違えて「7+5=13」としていたとします。「ここ違うんじゃない?」と指摘しても、「え? なんで?」と言われれば、「7+5=12」と答えを示すしかないというお悩みでしょう。

確かに、1年生に算数を教えるのは非常に難しいと思います。彼らは「かぞえかた」から始まり、「100までの数」「たし算」「ひき算」と算数の基礎を勉強していきます。スラスラと何の疑問もなくできるようになる生徒もいれば、どこかで引っ掛かる生徒もいます。そして、引っ掛かった時に、それを乗り越えさせる手助けが本当に難しいのです。

お子さまの理解を助けるひとつの方法としては、数字を「イメージ化」すること、何が生じているのかを「具体的な形」にすることです。たとえば上記の「7+5」という計算をイメージ化すると、下図のようになります。


「7+5」のイメージ


これは、「加数分解」という「たす数を分解して答えを出す方法」を示しています。式で表すと、「7+5=7+(3+2)=(7+3)+2=10+2=12」ということになります。足し算を習う時、おはじきなどを使って、学校でも同じような方法で指導するのが一般的です。そこまで戻って復習することにもなりますから、納得も早いと思います。しかし、「おはじき」を使うとできるのですが、数字だけで計算すると間違えてしまう場合があります。それは12という答えを、「おはじき」を数えることで出しているからだと思います。

そのような場合は、まずは「おはじき」を使って答えを出させます。それができたら、次は、頭の中で「おはじき」を動かして答えを出すようにします。このようなステップを踏むことにより、式の動きを「イメージ化」できるようになり、やがては本物のおはじきが不要になっていきます。どこかで引っ掛かるお子さまは、このように途中のステップを省略している場合が多いと思います。その場合は、もう一度「具体的な形」から、少しずつステップを上げて抽象的な「数の世界」に戻ると良いでしょう。

しかし、お子さまによっては、それでも乗り越えられない場合があります。さまざまな方法を示しても、「わかった」という感じになれないのです。そのような場合は最後の手段として、そんなものだと「暗記してしまう」というのもひとつの方法です。その時はわからなくても、ほかのことを勉強していくうちに、知識と知識が結びつき、「なんだ、そういうことか!」と心から納得できる時が来るのを待つのです。「暗記」するためには演習を繰り返す必要がありますから、たとえば今回の「7+5」の計算の場合は、以下のような計算マスを使って繰り返し練習するのも良いでしょう。


計算マス


算数は解き方を考える科目ではありますが、このように、時には「暗記する」ことがあっても良いと思います。ただし、暗記ばかりだとそのうち行き詰まってしまいますから、「暗記」は最後の手段、「理解するのを少し待っているだけ」と考えるべきだとは思います。


プロフィール

小泉浩明

小泉浩明

桐朋中学・高校、慶応大学卒。米国にてMBA取得後、予備校や塾を開校。現在は平山入試研究所を設立、教材開発など教務研究に専念。著作に「まとめ これだけ!国語(森上教育研究所スキル研究会)」などがある。

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