今、高校はこんなにも変化している 第4回
公立高校の入試といえば、受験機会の複数化ということで、どの都道府県でも「推薦入試」と「一般入試」が行われていました。ところがこの2つの大原則は崩れてきています。
この回では「推薦入試」の変化について、お話ししたいと思います。
推薦入試の変化
推薦入試では、以下のような変化が見られます。
- 推薦入試が残っている都道府県は、23都道府県と約半数に減ってきている
- 中学校長の推薦がいらない入試が広がる(推薦がいらないのであるから、名称も「前期選抜」「特色化選抜」等、都道府県によっていろいろ)
- 調査書の成績(つまり中学校での平常点)と面接・作文で選考していたものが、学科試験も課す学校が出てきた
- 調査書の評価が「相対評価」から「絶対評価」に変わったことで、中学校で付けられる評定の差が拡大(中学校・先生によって基準が違い、全体的に甘い評価になり、学校差が拡大)
受験は本人の責任で行うべきだという考え方から、多くの県で推薦入試の大原則であった“中学校長の推薦”がなくなり、本人が受けたければ受けられるようになっています。調査書の成績のほか、学校によって面接、集団討論、自己表現、作文、小論文、適性検査、学校独自問題など、さまざまな検査を実施して選抜を行うようになっています。
調査書の成績のベースは定期テスト
とはいっても、推薦入試はまだまだ調査書の成績が中心です。そして調査書の成績にいちばん影響するのが、定期テストの成績です。推薦入試を考えておられるのであれば、ぜひ定期テストで好成績が取れるよう、お子さまを励ましてください。
ポイントは以下の点です。
- 定期テストの出題範囲を先生に確認し、2週間前から計画を立てさせる
- 食事時間、入浴時間の設定等を絡めて、計画をチェックする
- 授業で学習したことを聞き、実技教科もきちんと対策させるようにする
- 出題のヒントは、授業・教科書にあることを子どもに話す
- これまで成績が悪かった教科に特に力を入れさせる
- これまでの答案を一緒に見直し、答案作成上のミスを一緒に確認する
- 定期テストはやりっ放しにせず、終わったあとで、できなかった問題を必ず復習させる
「テストが終わったら忘れる」では時間のムダになります。定期テストの準備のための勉強がそのまま入試へ向けての受験勉強にもなるよう、定期テストの準備で使うノートもそうした気持ちで作成するようにします。
「一般入試」については、別途お話しします。