今、高校はこんなにも変化している 第1回
新聞報道等で、このところ高校が大きく変化していることは、保護者のかたもご存じのことと思います。まず、お子さまの受ける高校について、どんなところがどう変わったのか、この機会に整理してみましょう。
保護者の時代にはなかったタイプの高校が出現
教育の「個性化」「自由化」「多様化」ということが盛んにいわれるようになって以降、保護者が子どものころにはなかった新しいタイプの高校が誕生し、高校再編計画による統廃合で生まれている高校は、ほとんどが新しいタイプになっています。
まずどういう点が変わったのか、整理してみます。
保護者の時代 | 現在 |
---|---|
全日制・定時制(夜間) | 全日制・定時制(昼夜間定時制を含む)・単位制 |
普通科・職業科 | 普通科(コース制を含む)・専門学科・総合学科 |
単位制
単位制は、学年制だと落第すると中退してしまうケースが多いために、学年ごとに進級するのではなく、卒業までに必要単位74単位を取ればいいというしくみにしたものです。今では、学年の枠にとらわれず履修できるので、埼玉県立浦和高校など有力な進学校で単位制にしているところもあります。
専門学科
以前は高校卒業段階で就職する人が多数派だったので、職業科といって、商業科、工業科、農業科、家政科などの学科がありましたが、こうした科で学んでも就職する人ばかりではなくなったので専門学科という言い方に変わっています。科も、「科学技術科」「国際学科」「芸術科」「福祉科」など、多種多様な科が出現しています。
また、普通科には通学区の指定があったために、学区を越えて生徒を集めるために普通科高校があえて専門学科を設置するケースもあります。京都市立堀川高校の「人間探究科」「自然探究科」、兵庫県立神戸高校の「総合理学科」などはそうした一例です。
総合学科
15歳ではなかなか進路を決められないために、普通科目から専門性の高い科目まで幅広くそろっている普通科と専門学科の性格を併せ持つ総合学科も生まれています。なお、総合学科はすべて単位制です。