2010年度入試で何が問われたか<国語>

■2010年度入試 首都圏主要校の入試分析<国語>

首都圏主要校の2010年度入試問題の分析結果をもとにした、平山入試研究所・小泉浩明先生による国語入試の出題傾向と今後の対策についての解説です。
(以下は、2010年4月に開催された森上教育研究所主催「わが子が伸びる親の『技』研究会」セミナーでの講演を抄録したものです。)


■2010年度 国語入試のポイント

大きく、4つのポイントが挙げられます。
 (1)選択肢問題の増減
 (2)韻文・随筆が増加傾向に
 (3)出題文のテーマは「自然・環境」「動植物」が復活
 (4)頻出作家数は昨年とほぼ同じ

以下、この4つのポイントについて解説していきます。

(1)選択肢問題の増減

男子校と女子校で、増減がはっきり分かれました。まず男子校では、選択肢問題の大幅な増加(超難関校は除く)と記述問題の減少により、問題難度が下がりました。一方女子校は、選択肢問題の大幅な減少と記述問題の増加により、問題難度が上がりました。
また、超難関校で抜き出し問題が増加しました。「文章中から5文字以内で抜き出しなさい」というタイプの問題です。探すのに時間がかかってしまうようであれば、説明文や論説文のような文章で、抜き出し問題の対策をしておくとよいでしょう。

(2)韻文・随筆が増加傾向に

2010年度 出題文のジャンル別問題数

2010年度 出題文のジャンル別問題数

2010年度は、随筆や韻文がやや増加して、説明的文章(説明文、論説文)が若干減少しました。
分析対象校のうち、6校で韻文が出題されましたが、そのうち5校(青山学院・共立女子・慶應義塾湘南藤沢・慶應義塾普通部・西武学園文理)では、詩が「独立形式」で出題されました。詩の学習はあまり取り組む機会がないと思います。特に男子は不得意な子が多いので、今後の出題傾向によっては対策が必要でしょう。

プロフィール


小泉浩明

桐朋中学・高校、慶応大学卒。米国にてMBA取得後、予備校や塾を開校。現在は平山入試研究所を設立、教材開発など教務研究に専念。著作に「まとめ これだけ!国語(森上教育研究所スキル研究会)」などがある。

子育て・教育Q&A