2008年度入試で何が問われたか<算数>

武蔵中学校

大問4題、小問11問の構成で、試験時間は50分。昨年度と比較すると、出題の難易度はかなり下がっています。合格に必要な得点率は85%。
大問4(数表・約数)は目新しい問題ですが、難しくはありません。大問1から大問3を20分で解き、残り時間を大問4に配分し、時間をかければ全問正解できます。低学年にもおすすめの問題です。
合否を分けた1題は大問3(文章題・比)です。典型的な和と差の文章題のようでいて、比をからませているところが少しだけ目新しいです。

桜蔭中学校

大問5題、小問13問の構成で、試験時間は50分。昨年度と比較すると、出題の難易度はほぼ同じです。合格に必要な得点率は75%。
大問5(3)(4)(規則性)は難しいですが、いい問題なので、他校を受ける受験生もぜひ時間無制限で挑戦したい問題です。低学年ではハサミを与えて取り組ませるといいでしょう。
合否を分けた問題は大問3(文章題)です。(1)は単純な周期の問題、(2)は一見ごちゃっとした感じがしますが、条件整理をして操作をし、つるかめ算だと気づけば解けます。気づかないと解けないでしょう。

<2008年度入試 合否を分けた問題 桜蔭中学校 大問3>

かずおくんのビデオテープレコーダーには60分用テープに60分間の録画ができる機能(標準モード)と、60分用テープに120分間の録画ができる機能(2倍モード)の2つの機能があります。かずおくんは、このビデオテープレコーダーで3つの映像A、B、Cを録画することにしました。A、B、Cの映像の長さはそれぞれ5分10秒、2分56秒、10秒です。
このとき、次の問いに答えなさい。

(1)かずおくんは、ある長さのビデオテープにACBCACBC……となるように、AとBの間にかならずCを入れながらA、Bをこの順に交互に標準モードで録画しました。4回目のAの録画を始めたところ、最後まで録画することはできませんでした。このビデオテープに録画できる時間は標準モードで何分何秒より長く何分何秒より短いですか。
(2)次に、かずおくんは60分用テープにA、Bのみをこの順に交互に録画しました。はじめは標準モードで録画していましたが、何回目かのBから2倍モードで録画したところ、10回目のBが終わったときにビデオテープが標準モードで43秒残りました。2倍モードで録画を始めたのは何回目のBからですか。

フェリス女学院中学校

大問5題、小問13問の構成で、試験時間は45分。昨年度と比較すると、出題の難易度はやや上がっています。合格に必要な得点率は65%。
大問3(速さ)は難しくありませんが、条件整理にてこずると大変です。大問4(2)(割合)は、今年度のフェリスの最難問です。最後の条件整理が難しく、できなくても合否に影響がなかったと思われます。
合否を分けた問題は大問5(平面図形)です。3問構成になっていますが、3問とも正解できるか、3問とも不正解かのどちらかに分かれたものと思われます。

<2008年度入試 合否を分けた問題 フェリス女学院中学校 大問5>

図のように、長方形ABCDを直線EFを折り目として折ると、頂点Bが頂点Dに重なりました。三角形CDFの面積は、長方形ABCDの面積の1/6です。
次の問いに答えなさい。

図

(1)上の図で、直線BFと長さが等しい直線をすべて答えなさい。
(2)長方形ABCDの周りの長さと五角形GEFCDの周りの長さの差は、辺BCの長さの何倍ですか。
(3)直線GFと直線ADが交わってできる点をHとします。三角形GHDの面積は、長方形ABCDの面積の何倍ですか。

図

女子学院中学校

大問7題、小問13問の構成で、試験時間は40分。昨年度と比較すると、昨年度は最終問題が難しかったのですが、2008年度は易しくなった影響で、出題の難易度は全体として易しくなっています。合格に必要な得点率は83%。
大問2(3)(図形・角度)の問題は今年の女子学院の最難問です。飛ばしても合否に影響がなかったと思われます。ここで5分使ってしまうと時間が足りなくなってしまうので、1分で方針が立たなければいったんは飛ばし、はまってしまわないことが重要です。
合否を分けた1題は大問4(速さ)で、(1)をまちがえるとあとの問題にひびくので、(1)をすぐ見直して、1度目と違う答えが出たら、書いたものを見比べ、正解してから、(2)に進みましょう。

<2008年度入試 合否を分けた問題 女子学院中学校 大問4>

水泳1.5km、自転車40km、ランニング10kmを順に行なってかかった時間を競(きそ)うレースに、J選手とG選手が参加した。

(1)J選手の水泳のタイムは20分50秒だった。J選手の水泳の分速は(  )mである。J選手の水泳と自転車の分速の比は3:20だった。J選手の自転車のタイムは(  )時間(  )分(  )秒である。
(2)G選手は、J選手より5分20秒遅(おく)れてランニングを始めた。ランニングは、G選手の方がJ選手より毎分32m速かったので、G選手はランニングに入って34分40秒後にJ選手に追いついた。J選手とG選手のランニングの分速の比は(  ):(  )である。
G選手のランニングの分速は(  )mである。
G選手がJ選手に追いついたのは、ゴールまで(  )mのところである。
(3)G選手の3つの種目のタイムの合計は(  )時間(  )分(  )秒である。

雙葉中学校

大問6題、小問9問の構成で、試験時間は40分。時間的にあとで見直しはできないので、問いごとに見直しをしながら進んでいきましょう。普段から自分で見直しをし、出した答えに責任をもつクセをつけておく必要があります。昨年度と比較すると、出題の難易度はかなり上がり、合格に必要な得点率は60%。今年度は計算が面倒な問題が多く見られます。
大問5の(2)(速さ)と大問6(2)(条件整理・組み合わせ)は難しいので、できなくても合否に影響がない問題です。低学年にぜひ挑戦させたい問題は、大問6(1)条件整理(組み合わせ)の問題です。
合否を分けた問題は、大問4(2)(立体図形)です。図をかいて、丁寧に調べることが必要です。断面図がかければ解けます。

<2008年度入試 合否を分けた問題 雙葉中学校 大問4(2)>

図のような直方体の水そうがあります。その中に4枚の長方形の板が等間隔(とうかんかく)にまっすぐ立っています。
板の横の長さは35cm、たての長さは左から順に29cm、14cm、18cm、11cmです。
水そうと板の間にすき間はなく、板の厚さは考えません。この空(から)の水そうに毎分0.21リットルの割合で水を入れると6時間48分20秒後にいっぱいになりました。

(1)水そうの深さは何cmですか。(式と計算と答え)
図
(2)水そうの底の○のところに穴をあけると、毎分75cm³ の割合で水が流れ出します。水が流れなくなるのは、穴をあけてから何時間何分何秒後ですか。(式と計算と答え)

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