【回答:鳥居りんこ】家庭学習・家庭内コミュニケーション<その1>

「中学受験は親子の受験」とも言われ、保護者のかたの役割はとても大きいもの。受験準備が進むにつれて、心配事や気がかりもいろいろ出てくるでしょう。よくある相談事例について、専門家の先生がたや、合格家庭の先輩保護者のアドバイスを集めました。

弟のことになんでも首を突っ込みたがり、勉強が進みません

受験生への対応法を具体的に知りたい

子どものストレスへの対応法

弟のことになんでも首を突っ込みたがり、勉強が進みません

子どもと険悪な状況になったときの、打開法はありませんか? わが家は二人の男の子がいて、上の子が受験予定です。下の子をしかっていると、上の子のテンションが下がり、勉強もままならないといった感じです。また、下の子の話になんでもかんでも首を突っ込んでくるので、ますます勉強にならず、時間ばかりが過ぎてしまいます。りんこさんは、どうなさっていたのでしょうか?
そうですよね〜、そうなんです。兄弟がいると、受験が余計にややこしくなるんですよね。
私にも覚えがあります。上(兄)が下(妹)にちょっかいを出して、下が挑発に乗って、しまいにはケンカになるのを怒っているうちに時間ばかりが過ぎてって、また怒鳴るなんてのもショッチュウでした。おまけに、下は上が勉強するのを邪魔するかのように首を突っ込んでくるし、上は集中力ってものが全くないような態度で、母である私がノイローゼになりそうでした。
でも考えてみれば、下だって遊びたい盛りにいっぱい我慢を強いられてかわいそうな立場なんだよなぁと思ったら、中学受験って何なんだろう、子どもにこんなに我慢ばかりさせてって、泣けてくるときもいっぱいありました。でも受験はやめられない。もう今さら「ハイ、やめます」なんて言える勇気がなかったんですよね…。
そのうちこうしましたよ。上が問題を解いている間は見張りをしながら、下にもできそうな問題をやってもらい、バトルが起こるのを防止しました。そうじゃなくても、上が母から相当なる手をかけてもらっていることを下は不満に思うらしいので、上が塾に行っている間は下と濃密に過ごすようにも努めてみました。でも結局、努力むなしく二人の小競り合いが始まり、母はまた怒鳴るのくり返し。もう本当に疲れます。でもね、受験がなくても母は子どもに怒るものですよね。
それならば「いいんだよ、いいんだよ、いーんだよ。もう兄弟はそうやって大きくなっていくものさ〜」そう考えて、母はどっしり構えて、怒ってよし!と思います。

受験生への対応法を具体的に知りたい

受験生の子どもに対する、具体的な親の対応方法を知りたいです。
私なんてほめられたものじゃないです。もう怒鳴りまくりですもん。
そんなことはダメだってわかっていますけれど、子どもなんて、受験じゃなくてもしょせん、母が怒鳴るまでは動かないようにできているんですからしかたないんですよ(除:でき過ぎくん)。怒鳴るのも母の仕事です!
まあ、よく言われているように「常に笑顔でやさしく子どもを盛り上げて、一歩引いて子どもを見守る親」になれれば最高だとは思いますが、私、そんな親見たことないです(除:でき過ぎくんの母)。私たちはフツーの親なんですから、理想を追っても、やり方がわからずにへこむだけですから、自分が思うとおりに真剣に子どもにぶつかっていいんじゃないかなって思っています。

みんな、わが子の幸せを本当に願っています。中学受験がそれにつながっているのかは正直わかりませんが、それでも今の時点で「そうしよう」と思ったんですから、それが今の時点での最高の選択なんじゃないでしょうか。そうであるなら、めざしましょうよ。
親子であーも言い、こーも言いで、バトルが絶えない受験生活ですけれど、そんな親子の濃密な日々はもう二度と訪れません。中学受験は母と子の最後の蜜月(みつげつ)。
思いきり泣いて、怒鳴って、そして心からわが子を抱きしめられる瞬間をめざして、充実したときを楽しんでほしいと私は思っています。ガンバレ、中学受験生の母!

子どものストレスへの対応法

6年生になって、ますます遊べる時間が減っていくことによる子どものストレスに、どう対応していくのが効果的でしょうか。
もうね〜、母はせつないですよね。わが子は「まだこんなに小さいのに!」と思うと、さっきまで怒鳴っていたことなんかきれいに忘れちゃって、涙が出てきますもの…。

受験生活が「すごいストレスなんだなぁ」って思ったら、私は息子のときはゲーセンに連れてって、いつもは300円までのところ、1000円までいいよ♪と大盤振る舞いをしたこともありましたっけ…。娘のときは母娘ショッピングとしゃれ込んで洋服を思いきり買ったりもしていましたね〜。
午前中模試で午後に予定がないときは、急いで帰って自己採点といきたいところをグッとこらえて、夜まで自由時間!って宣言したこともあります。やっぱり人間、ムチだけじゃ動けない。子どもの望みそうなアメもいっぱい用意したつもりです。
しかし6年生の秋も深まってくると焦りはドンドン募りだし、余裕がなくなりました。
中学受験母はみんな、そんな道を辿るのです。けれどもね、焦って、辛くて、どうしようもなくなったときには、もうあと2〜3か月の辛抱と思って、この生活に耐えてください。この頃には子どもも「ぜったい、志望校に受かりたい!」モードになってくるから、受験が終わったら「これをやろうね、あれをやろうね」って話で盛り上げて、親子で「ぜったい、受かるんだ!」って「気持ち」でがんばってほしいです。

プロフィール



人気サイト「湘南オバさんクラブ」主宰。自らも母として中学受験を経験し、1000人以上の中学受験生の母親たちの「不安」や「迷い」に対する、りんこさん流「元気になるアドバイス」が大人気。ブログは、情報サイト「オバケット」で。

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