納得いくまで学校を吟味! 志望校へのあこがれを受検勉強の力にして合格

東京都立小石川中等教育学校は府立五中時代から受け継がれている「立志・開拓・創作」の精神のもと、自らの道を切り開く力を育てる個性的な取り組みを行っている学校です。2008年度に前期課程の3学年がそろい、想定したカリキュラムや行事がひととおり実現されました。新たなスタートとなる2009年度に入学したM・I さんとお母さまに合格までの道のりを伺いました。(2010年1月28日更新)


profile
M・I さん

2009年4月、東京都立小石川中等教育学校に入学。習い事や塾通いなど、何事にも一生懸命取り組むがんばり屋さんです。中学での部活は体操部を選びました。ダンスの楽しさを体感し、勉強と部活を両立させている先輩の情熱を見習って、ご自身も忙しい毎日を送っています。

受検の決意から志望校決定までの経緯は?

お母さま

受検を意識したのは、子どもがお友達に誘われて大手の進学塾に入ったことがきっかけです。また、同時期に私と主人の出身校が公立中高一貫校になり興味をもちました。塾や同級生のお母さんで受検に熱心なかたから受検についてのさまざまな情報を得て、6年生からの1年間の受検対策では短いと感じたので5年生から受検対策を始めました。私立中学の受験も考えたのですが、経済的なことや、私立向けの塾通いなどをして習い事の時間を削るのは避けたいという子どもの希望もあってやめました。なにより公立中高一貫校の新しい教育体制に期待があったので、公立一本に絞りました。


M・I さん

最初はそれほど受検に興味はなかったのですが、母や友達から話を聞いているうちに「公立中高一貫校の学びはおもしろそう!」と興味がわいてきました。高校受験がないことと、6年間にわたって深い勉強ができるというのも魅力でした。受検を決めたのは4年生の終わり頃でしたが、「決め手はこれ!」というより「徐々に受検の意識が高まっていった」という感じです。


お母さま

通学できる範囲の学校は3〜4校あり、志望校を決めるのはけっこう苦労しました。出願してからは「選ばれる立場」ですが、それまではこちらが「選ぶ立場」との考えから、各校の学校説明会や体験授業に積極的に参加しました。学校の雰囲気や通学経路・時間などは、実際に学校に足を運んでみないとわからないことなので、できる限り学校に行きました。6年間通うことを考えると、通学経路と時間のチェックは特に大事です。ホームページから知ったり、人から聞いたりするのと、自分の目で見るのとでは印象が違うこともありましたよ。志望校の決定は本人の希望を第一にと考えていましたが、それぞれの学校に良い面や魅力的な個性があり、親子でかなり悩みました。


M・I さん

学校説明会や学校祭は志望校の決定にとても役立ちました。説明会で先生の話を聞いて「勉強が大変そう」と感じたり、学校内を見て充実した設備に驚いたり。志望校に決めた小石川は創作展(学校祭)を見学してあこがれました。校内の雰囲気が明るくて、先輩は皆さん親切で、行事に打ち込む姿がとても印象的でした。難しい学校だし受検は大変そうだと思いましたが、受かりたいし、もし落ちたら悔しいと思ったんです。悔しいと思うのはこの学校に行きたいということですよね。あこがれが志望する気持ちに変わりました。それでも他にも気になる学校があり、本当に迷いました。最終的に小石川に決めたのが6年生の9月くらいになりましたが、真剣に考えて決めた学校なので、合格に向かってがんばろうと強く思いました。


お母さま

小石川に決めたのは、適性検査解説会で「小石川は知識を問うているのではない」と言われたことに子どもが感銘を受けたことが大きかったです。倍率が低そうだとか入りやすそうだと学校を選ぶのではなく、子どもの性格に合った学校を選ぶことが大事だと実感しました。



志望校を決めてからの勉強法は?

お母さま

私は受検までにやらなくてはならない勉強を全体的に把握してスケジュール管理をしたり、まるつけに協力しました。「今日はこれとこれ」などと言うのですが、それについて子どもが反論して言い合いになってしまうことがありました。つい「勉強したの!?」などと怒ってしまい、毎日のようにけんかもしていましたね。「勉強のことで子どもを怒ってはダメ」と頭ではわかっていましたが、言わずにはいられなかったというのが正直なところです。


M・I さん

5年生から受検勉強をしていたので、合格までの期間を見ると中だるみのような時期もありました。でも、志望校を決めてから本番まであまり時間がなかったので、短い期間に集中して勉強しました。母は気が気ではなかったようですが、私はコツコツやるよりも短期集中型の勉強が合っていたので、結果的にはうまく勉強できたのではないかと思っています。
特に冬休みは作文に力を入れました。私は読書が好きで作文を書くことも好きでしたが、模試などの作文は点数が今ひとつでした。作文力をつけるために作文対策用の教材を5年生の分から一気にやりました。短期間に集中的に取り組むことで作文のコツがしっかりつかめたと思います。


お母さま

それまで模試や過去問で書いた作文を読み返してみると、必要なことが書かれていなかったり、伝えたいことがまとまっていなかったりして、決定的な何かが足りないという印象でした。5年生の分も順を追ってやったことで文章に一貫性が出て、論理的な展開ができるようになり、作文力がついた手応えを感じました。



受検を振り返っていかがですか?

お母さま

志望校決定が遅れたために私の中に焦る気持ちがあり、ついいろいろ口うるさく言ってしまったのが反省点です。まるつけをしたり、一緒にわからない問題を考えたりしていると私のほうが疲れてしまい、ソファーで横になることがありました。でも、私が寝ている間に子どもは一人で黙々と勉強していました。今考えると一人でもきちんと勉強できる子だったのかもしれませんね。じっくりと吟味して納得して志望校を決められたので、大変な時期もモチベーションを保てたのではないかと思います。


M・I さん

受検のためにやりたいことを我慢したり、友達と遊べなかったりしてつらいと思ったこともありましたが、「絶対に受かって好きなことを思う存分やろう!」と考えてがんばりました。適性検査では今までにやったことがない問題や全然わからない問題が出て焦りましたが、「できなかったとしても、くよくよするのは終わってからにしよう」と1問ずつ気持ちを切り替えて解きました。でも正直ダメだと思ったので合格発表は怖かったです。合否はホームページで確認したのですが、合格したのがわかったときは本当にうれしくて、学校の掲示も見に行ったんですよ。
小石川中学では各分野の専門家を招いて講義する授業があり、難しいけれど興味深いです。友達も個性的な人がたくさんいておもしろいですよ。「受検の苦労を乗り越えてきた仲間」という意識があるせいか、すぐに仲良くなって互いに勉強を教え合ったり、家に泊まりに行ったりしています。部活は体操部に入りました。勉強との両立はなかなか大変ですが、充実した学校生活を送っています。



プロフィール



「進研ゼミ小学講座」は2020年新課程に対応して、リニューアル。基礎から応用までの学力向上はもちろん、自ら学ぶ姿勢を身につける。
学んだ知識を使って、自分なりの答えを導き出す。そんな体験を繰り返すことで、「自ら考え表現する力」を育んでいきます。

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