第1志望校と併願校選定での重視事項[中学受験]

これまでも中学受験生の保護者に志望校を選定するうえで重視する事項をアンケートで調査してきた。結果としては、志望校の教育方針・校風を重視している保護者が最も多いことがわかっている。しかし、「志望校を選定する場合、第1志望校と併願校では重視する事項が違うのではないか?」という疑問があったので、「在籍者」の保護者アンケートを使って、第1志望校と併願校で最も重視する事項を調査した。( )は第1志望校で、[ ] は併願校で、各事項を最も重視する保護者の割合を表示しているが、第1志望校と併願校では以下のように異なることがわかる。

1.出題・配点傾向と我が子の相性(3%)[3%]
2.男子校・女子校・共学校と我が子の相性(7%)[10%]
3.教育方針・校風と我が子の相性(30%)[13%]
4.大学合格実績(10%)[3%]
5.通学時間(7%)[10%]
6.学校の知名度(0%)[3%]
7.学校の偏差値(3%)[10%]
8.合格可能性(7%)[27%]
9.在校生・先生・学校の雰囲気と我が子の相性(20%)[10%]
10.在校生・志願者の家庭環境と我が子の相性(3%)[0%]

20%を超える項目を見ると、第1志望校では、「3.教育方針・校風と我が子の相性」と「9.在校生・先生・学校の雰囲気と我が子の相性」で数値が高く、我が子の相性を考えて学校を選択しようとする保護者が多いことがわかる。
併願校では、「8.合格可能性」を選んだ保護者が多く、第1志望校で失敗した場合も考えて併願校では合格可能性を最も重視している保護者が多いことがわかる。

第1志望校と併願校の選択での大きな違いは、「3.教育方針・校風と我が子の相性」である。この項目は、第1志望校と併願校の差が顕著に大きいことから、併願校選定よりも第1志望校で重視する事項となることがわかる。(併願校でも「3.教育方針・校風と我が子の相性」を重要視しているが、第1志望校ではさらに重要視している)。
逆に、「8.合格可能性」が第1志望校と併願校のマイナス差が顕著に大きいことから、第1志望校よりも併願校選定で重視する事項となることがわかる。(第1志望校では「8.合格可能性」はあまり重要視していない)。

第1志望でチャレンジ校を受験する場合、難関校・上位校では、3人に2人または4人に3人が不合格になることを考えると、第1志望がチャレンジ校であれば合格する可能性は低くなる。当然、併願校で合格可能性を重視することになると思うが、合格可能性ばかりを重視するのであれば問題である。データからもそのような傾向が見られる。
第1志望がチャレンジ校であればあるほど、併願校を選定する際は「我が子に合った学校」かどうか調査すべきであろう。


プロフィール


森上展安

森上教育研究所(昭和63年(1988年)に設立した民間の教育研究所)代表。中学受験の保護者向けに著名講師による講演会「わが子が伸びる親の『技』研究会」をほぼ毎週主催。

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