学校説明会での確認事項[中学受験]

最初に学校説明会に参加する学年は4年生(約45%)または5年生(約35%)が多く、全体の約80%を占めている。6年生になってから参加するケースは約5%と少なくなる。
学校説明会に参加する時期は4年生が最も多い。受験勉強を行うためには、目標となる志望校が必要となるため、4・5年生で志望校を選定するために保護者は学校説明会に参加していることがわかる。

学校説明会は、約80%の家庭で母親が主体となって参加する学校イベントである。学校説明会・合同相談(説明)会・個別学校訪問は母親主体、文化祭は受験生本人主体の学校イベントと言える(オープンスクールは、どちらかと言えば受験生本人が主体)。学校イベントに参加した時、保護者が確認すべき事項として、母親主体の学校イベントでは「教職員について」「学校全体の雰囲気について」を挙げる人が多い。受験生本人が主体の学校イベントでは「在校生について」「学校全体の雰囲気について」が多い。受験生を持つ保護者のアンケートでは、学校説明会に参加した時の保護者が最重視する確認事項は、「校長先生・先生方の話の内容」(32%)と「雰囲気として学校全体の活気」(21%)が多く、合わせて半数以上を占めている。

保護者が、入学前に、在籍校の学校説明会に参加した時、どれだけ「我が子に合った学校」であると感じたかを、確認事項ごとにアンケートで調査した。求める学校にピッタリ適合したと答えた保護者の割合が高い項目は、「校長先生・幹部の先生方の話の内容」(45%)、「学校全体の外面的な清潔・整頓など」(45%)、「学校全体の活力・活気」(44%)、「教職員の外面的な礼儀・服装・言葉づかい・態度など」(40%)で、逆に割合が低い項目は、「他の保護者の内面的な印象」(17%)、「教職員の内面的な印象」(26%)、「在校生の内面的な印象」(26%)であった。校長を含む教職員や学校全体の要素を確認した保護者が多い。また、オープンスクールと同様で、わかりやすい外面的な要素で判断した保護者が多く、わかりにくい内面的な要素で判断した保護者が少ない。

入学後に「在籍校は我が子に合った学校である」と答えた割合を調べてみると、学校説明会では外面的な要素で志望校を選定した場合の満足度は約85%であったことに対し、内面的な要素で選定した場合は約90%であった。「オープンスクールでの確認事項」の回でご紹介した同様のアンケートよりも、外面的な要素が保護者の求める学校にピッタリ適合した割合が70%未満から約85%に上がっている。全般的には、オープンスクールのアンケートと同様で内面的な要素の数値が高い傾向はあるが、その差は5%とわずかであった。学校説明会では外面的な確認事項でも十分に「我が子に合った学校」かどうかを見極められることになる。

プロフィール


森上展安

森上教育研究所(昭和63年(1988年)に設立した民間の教育研究所)代表。中学受験の保護者向けに著名講師による講演会「わが子が伸びる親の『技』研究会」をほぼ毎週主催。

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