志望校と偏差値とモチベーションを考える その3[中学受験]

小学生は年齢的なこともあり、長期間モチベーション(やる気)を高く保っておくことは難しい。しかし、それができれば、同じランクの生徒に差を付けることができ、偏差値を上げることができるのである。
大多数の生徒は、やる気をなくす、あるいはやる気が起きない(俗に言う)スランプの期間がある。モチベーションを高く保つことで、その期間を最小限にできれば、偏差値を上げることができるのである。これは、モチベーションによって、同じ勉強量でも学習効果を高めることとは別に偏差値を上げる効果があるということだ。

ではどうすれば、長期間モチベーションを高く保つことができるのであろうか? 偏差値が上がっている時は、誰でもモチベーションは高くなる。成果は最高の妙薬だ。しかし問題は偏差値が上がらない時だ。
偏差値は、一直線ではなく階段状に上がる傾向がある。つまり、一生懸命に勉強しても、長期間、偏差値は変わらない状態が続き、突然大幅に偏差値が上がり、また上がらない状態が続く。ケースバイケースだが、偏差値が上がるまで3~6か月はかかる。いくら勉強しても偏差値が上がらないスランプの期間にモチベーションを高く保つことは難しいのである。

どうすれば、偏差値が変わらない期間にモチベーションを保つことができるかということだが、一つには達成可能な目標を設定し、その目標を一つずつ達成することがある。1年後の入試を目標にするだけでは、あまりにも遠い先のことで長期間モチベーションを保たせることは難しい。また、模擬テストも目標には違いないが、期間が開きすぎる点と、偏差値そのものが目標になるため達成しにくいという問題点がある。達成可能な目標でなければ意味がない。
そこで、達成可能な小さな目標を模擬試験と模擬試験の間に設定するのだ。人は達成可能な目標であれば本能として達成しようとする。そして、小さな目標でも達成できれば誰でもうれしいものである。
また、本人が達成感を持つことも大事だが、第三者がほめてくれればなおさらだ。子どもをほめるのは、子どものモチベーションを引き出すためである。ただし、やたらにほめても、子どもはオダテとしか受け取らない。目標を達成したことや試験で結果を出したことでほめなければ、子どものモチベーションを引き出すことはできない。

小さな目標でも、達成できれば自信がついてくる。自信が持てるようになるとモチベーションが高まり、次の目標にもチャレンジする気持ちになる。その繰り返しで、偏差値が上がる時点までモチベーションを高く保つことが可能になる。この目標は、子どもに成果を実感させるためのものなので、絶対評価で、簡単に成果が確認できるものが好ましい。たとえば、家庭学習、添削、塾の小テストも良いと思う。偏差値を上げるためにはモチベーションを高く保つことが最も有効な方法の一つである。

プロフィール


森上展安

森上教育研究所(昭和63年(1988年)に設立した民間の教育研究所)代表。中学受験の保護者向けに著名講師による講演会「わが子が伸びる親の『技』研究会」をほぼ毎週主催。

お子さまに関するお悩みを持つ
保護者のかたへ

  • がんばっているのに成績が伸びない
  • 反抗期の子どもの接し方に悩んでいる
  • 自発的に勉強をやってくれない

このようなお悩みを持つ保護者のかたは多いのではないでしょうか?

\そんな保護者のかたにおすすめなのが/
まなびの手帳ロゴ ベネッセ教育情報サイト公式アプリ 教育情報まなびの手帳

お子さまの年齢、地域、時期別に最適な教育情報を配信しています!

そのほかにも、学習タイプ診断や無料動画など、アプリ限定のサービスが満載です。

ぜひ一度チェックしてみてください。

子育て・教育Q&A