辞書を引く習慣を付ける[中学受験]
平山入試研究所の小泉浩明さんが、中学受験・志望校合格を目指す親子にアドバイスする実践的なコーナーです。保護者のかたから寄せられた疑問に小泉さんが回答します。
質問者
小3女子のお母様質問
語いが少なく、凡ミスも多いので心配です。読書はあまり好きなほうではないのが大きいと思っています。小泉先生のアドバイス
辞書を引く習慣をつける
中学受験の国語は方法論を正しく学びさえすれば、比較的短い期間で成績を上げることができます。2~3カ月で、本人が実感できるほど偏差値を伸ばすことは可能だと思っています。しかし、中には伸びないお子さまもいます。そうした伸びない原因の一つとして、「言葉の知識」の不足が挙げられます。ここでいう「言葉の知識」とは、漢字・熟語・慣用句・ことわざなどです。そして知識が不足していることを実感して、勉強を始めてもすぐには身に付かないのが「言葉の知識不足」の怖さです。しかも女子校は、入試問題で「言葉の知識」を出題するのが大好きですから、このまま放置していてはあとで大変苦労する可能性があります。
たとえば模擬試験などの実力テストで漢字が10問出題されたら、お子さまはどのくらいできているでしょうか。8問以上であれば問題ありませんが、そうでなければ、漢字の練習帳で毎日漢字を練習した方が良いと思います。もし5問以下であれば、本当に緊急に解決しなければならない課題と言えます。
また文章を読む時はどうでしょうか。少し難しい文章を読んで、1ページに三つも四つも意味がわからない言葉が出てきたら、おそらく文章全体を正しく理解することは難しいと思います。もちろんわからない字を前後関係で理解するのも国語力と言えるかもしれませんが、わからない字が多すぎては、誰でも読み方がデタラメになってしまいます。
言葉を増やす方法としては、読書の習慣を付けるのが良いのですが、お子さまはあまり本が好きではないようですね。練習帳で勉強した漢字は、文章の中に出てきて初めて、生きた言葉として実感されます。ですからどうしても文章を多く読むとか、言葉に多く触れる機会が必要なのです。そこでひとつ試されてはどうかと思うのが、お子さまに辞書を引く習慣を付けることです。たしか新聞でも辞書を引く大切さが載っていたと記憶していますが、辞書を引くことで言葉に慣れ親しませるのです。私は「小泉国語塾」というささやかな塾を主催していますが、辞書を引くことを生徒にすすめていますし、また辞書を引く生徒が多くなっています。
辞書を楽しく引く方法としては、お子さまの力にあったものを与えることが大切です。一つの言葉を調べたら、辞書に書かれている文章にもわからない言葉が出てきて、何回も引くことになったらすぐにいやになります。ベネッセでも良い辞書を出しているので、書店で確認されてはいかがでしょうか。もちろんお子さま本人が、わからない言葉を引いて使いやすい辞書を選ぶべきだとは思います。もう一つは、やはり話題になっている「ふせん」を付ける方法です。この方法については本も出ているので、詳しくはご自分で読まれると良いと思います。ベネッセの辞書とともに紹介されている本がありましたので、参考までに紹介しておきます。
7歳から辞書を引いて頭をきたえる
なお、私自身はその本を読んでいませんので、詳しい内容についてはわかりません。紹介しておきながら無責任と叱られそうですが、実際に私の塾で「ふせん」を付けて辞書を引くのを楽しんでいる子どもを見ていますのでお話しした次第です。彼らが言うには、辞書を引いたら「ふせん」をつけて「引いた」という印にすることで、辞書を引くことが楽しくなったそうです。だんだん「ふせん」がたまってくると、なにか大切なものがたまってくるように感じて、辞書を引くのが面倒ではなくなるのだそうです。またある女の子は、あらかじめ「ふせん」に数字を書いて、「今、何字集めたか」(とその子は表現していました)と楽しんでいるようでした。「ふせん」の数が多くなり、辞書が不格好になると引きにくくなるとは思いますが、そのころにはもう少しレベルの高い辞書に買い換える時期になっているのかもしれません。
ところで、私の国語塾にも電子辞書を持ってくる子どもはいます。さて、アナログの「紙の辞書」とデジタルの「電子辞書」と、どちらが有効なのでしょうか。サンプルがあまりにも少ないので、正確なことはとても言えませんが、「ふせん」を使うことでゲーム性が出ている分だけ、「紙の辞書」のほうが有効かもしれません。もちろん「引いた漢字の個数が表示される」「どんどん引くとイベントが起きる」などのゲーム性がすでに「電子辞書」にある可能性もあります。私は電子辞書を使っていないので、実際はどうなっているのかはわかりませんが、もしそうした機能がなかったとしたら、案外面白いアイデアと言えるかもしれませんね。
さて話がわき道にそれましたが、辞書を引いたら「ふせん」を付けるのは面白い方法だと思います。「語いが少ない」という問題を解決するための、試してみたい一つの方法ではないでしょうか。
中学受験の国語は方法論を正しく学びさえすれば、比較的短い期間で成績を上げることができます。2~3カ月で、本人が実感できるほど偏差値を伸ばすことは可能だと思っています。しかし、中には伸びないお子さまもいます。そうした伸びない原因の一つとして、「言葉の知識」の不足が挙げられます。ここでいう「言葉の知識」とは、漢字・熟語・慣用句・ことわざなどです。そして知識が不足していることを実感して、勉強を始めてもすぐには身に付かないのが「言葉の知識不足」の怖さです。しかも女子校は、入試問題で「言葉の知識」を出題するのが大好きですから、このまま放置していてはあとで大変苦労する可能性があります。
たとえば模擬試験などの実力テストで漢字が10問出題されたら、お子さまはどのくらいできているでしょうか。8問以上であれば問題ありませんが、そうでなければ、漢字の練習帳で毎日漢字を練習した方が良いと思います。もし5問以下であれば、本当に緊急に解決しなければならない課題と言えます。
また文章を読む時はどうでしょうか。少し難しい文章を読んで、1ページに三つも四つも意味がわからない言葉が出てきたら、おそらく文章全体を正しく理解することは難しいと思います。もちろんわからない字を前後関係で理解するのも国語力と言えるかもしれませんが、わからない字が多すぎては、誰でも読み方がデタラメになってしまいます。
言葉を増やす方法としては、読書の習慣を付けるのが良いのですが、お子さまはあまり本が好きではないようですね。練習帳で勉強した漢字は、文章の中に出てきて初めて、生きた言葉として実感されます。ですからどうしても文章を多く読むとか、言葉に多く触れる機会が必要なのです。そこでひとつ試されてはどうかと思うのが、お子さまに辞書を引く習慣を付けることです。たしか新聞でも辞書を引く大切さが載っていたと記憶していますが、辞書を引くことで言葉に慣れ親しませるのです。私は「小泉国語塾」というささやかな塾を主催していますが、辞書を引くことを生徒にすすめていますし、また辞書を引く生徒が多くなっています。
辞書を楽しく引く方法としては、お子さまの力にあったものを与えることが大切です。一つの言葉を調べたら、辞書に書かれている文章にもわからない言葉が出てきて、何回も引くことになったらすぐにいやになります。ベネッセでも良い辞書を出しているので、書店で確認されてはいかがでしょうか。もちろんお子さま本人が、わからない言葉を引いて使いやすい辞書を選ぶべきだとは思います。もう一つは、やはり話題になっている「ふせん」を付ける方法です。この方法については本も出ているので、詳しくはご自分で読まれると良いと思います。ベネッセの辞書とともに紹介されている本がありましたので、参考までに紹介しておきます。
7歳から辞書を引いて頭をきたえる
なお、私自身はその本を読んでいませんので、詳しい内容についてはわかりません。紹介しておきながら無責任と叱られそうですが、実際に私の塾で「ふせん」を付けて辞書を引くのを楽しんでいる子どもを見ていますのでお話しした次第です。彼らが言うには、辞書を引いたら「ふせん」をつけて「引いた」という印にすることで、辞書を引くことが楽しくなったそうです。だんだん「ふせん」がたまってくると、なにか大切なものがたまってくるように感じて、辞書を引くのが面倒ではなくなるのだそうです。またある女の子は、あらかじめ「ふせん」に数字を書いて、「今、何字集めたか」(とその子は表現していました)と楽しんでいるようでした。「ふせん」の数が多くなり、辞書が不格好になると引きにくくなるとは思いますが、そのころにはもう少しレベルの高い辞書に買い換える時期になっているのかもしれません。
ところで、私の国語塾にも電子辞書を持ってくる子どもはいます。さて、アナログの「紙の辞書」とデジタルの「電子辞書」と、どちらが有効なのでしょうか。サンプルがあまりにも少ないので、正確なことはとても言えませんが、「ふせん」を使うことでゲーム性が出ている分だけ、「紙の辞書」のほうが有効かもしれません。もちろん「引いた漢字の個数が表示される」「どんどん引くとイベントが起きる」などのゲーム性がすでに「電子辞書」にある可能性もあります。私は電子辞書を使っていないので、実際はどうなっているのかはわかりませんが、もしそうした機能がなかったとしたら、案外面白いアイデアと言えるかもしれませんね。
さて話がわき道にそれましたが、辞書を引いたら「ふせん」を付けるのは面白い方法だと思います。「語いが少ない」という問題を解決するための、試してみたい一つの方法ではないでしょうか。